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シリコンバレー発のテックニュースを中心に発信しています。時々、食べ物や健康に関する情報を発信しています。トライアスロン挑戦中。

ユニクロは国外でも過酷な労働環境の存在を非難され続けている。やはり、「ユニクロはブラック体質なのか?」を調べてみた

News(ニュース)

文春砲が炸裂したユニクロのブラック疑惑。1年の潜入調査の結果は?

本日、発売された週刊文春のユニクロに関する記事が話題を呼んでいます。今回の取材を行ったのはフリージャーナリストの横田増生氏、2011年に書籍「ユニクロ帝国の光と影」を発表し、長時間の過酷な労働環境やサービス残業の実態を明らかにした人です。その後、ユニクロから恫喝的(通称 SLAPP訴訟)とも言える名誉毀損訴訟を起こされ最高裁判所まで争い勝訴しています。

ユニクロ帝国の光と影 (文春文庫)

ユニクロ帝国の光と影 (文春文庫)

 

 その後、ユニクロの柳井社長がインタビューで語った以下のメッセージに応えるように、(苗字を変えて)アルバイトに応募し、実際のユニクロの3店舗で1年間働きながら潜入取材をした結果を今週号で公表しています。

「悪口を言っているのは僕と合ったことがない人がほとんど。会社見学をしてもらって、あるいは社員やアルバイトとしてうちの会社で働いてもらって、どういう企業なのかをぜひ体験してもらいたいですね。」

参考:ユニクロは“ブラック企業”ではない 柳井会長「ホワイトに近いグレー企業」 - SankeiBiz(サンケイビズ)

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そして、今週号の週刊文春では「依然として残る長時間労働と人手不足」「ユニクロ感謝祭期間での過酷な勤務の実態」等が明らかされています。読む限りでは、2011年当時と比較して、ユニクロの『国内での』労働環境は改善しているようです。ネット上で発見できる「元ユニクロ社員」のブログなどでも、サービス残業も意識改革や自主的な取締によって大幅に減っているとの証言があります。

そして、横田氏のジャーナリスト魂に感動を覚えるとともに、ストーリー・取材記としても、とてもおもしろかったです。

私は恐らく多くの日本人と同じくユニクロを長年愛用している一人です。ところが、これもおそらく他の消費者も感じていると思われる、「背後に潜むストーリーが悪い企業の製品は使いたくない」というような感覚が年々増しています。要するに、労働力の搾取や各国な労働環境が存在したり、環境に配慮しない生産をする企業の商品を購入する事を敬遠するようになってきたのです。

ユニクロは「リサイクル」「難民への衣料の提供」「動物の苦しみが少ないダウンの生産」といったCSR活動や、地球環境や動物に配慮のある生産に取り組んでいる事を個人的に知っていたので、一定の信頼をしていましたが、今回の報道をキッカケに「ユニクロって本当はどうなの?」ということを調べてみることにしました。

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すると、知らなかった(恐らく日本では積極的に報道されない)ユニクロの実態が浮かび上がってきました。

世界のトップアパレル企業になったユニクロの現状

ユニクロの現状をさらっとおさらいします。ユニクロの現在の地位を知ることでどれだけのパワーを持ち、責任を持つべきなのかを把握しておきたいと思います。

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画像:ユニクロ

ユニクロ(親会社はファーストリテイリング社(以下、FR社))は、世界でも指折りのトップアパレルメーカーになりました。Forbes20165月に発表した「世界のトップ20アパレル企業」でも日本企業で唯一名を連ねています。20168月期の売上高は1.7兆円を超え、店舗数は海外で958店舗、国内を足すと1,000店舗を超えています。売上高が2兆円強のZARAHMといったライバル企業に迫りつつあります。筆者の実感としても、ユニクロのグローバルへの進出度の高さは、海外に行った時に感じます。東南アジアでもアメリカでも困った時にユニクロの店舗を探すのは難しくありません。

参考:ファーストリテイリング決算説明資料


個人的にユニクロの製品のクオリティの高さで印象深いエピソードがあります。アメリカの西海岸で生活をしていた時にフランス人の友人と買い物に行きました。ユニクロの店舗を現地に発見したので、彼を連れて入店。当時、彼はユニクロを知らなかった(パリにはユニクロがあるのですが)そうですが、彼は手に取ったユニクロの商品のクオリティの高さとその価格に驚き、大量に購入していました。以後、半年程の滞在で1000ドル程ユニクロで買い物をしたそうです。パンツ(下着の方)に至ってはほとんどがユニクロになったそうです。

「uniqlo san francisco」の画像検索結果

画像:Wired

グローバル展開の順調さから見ても、世界的に見てもユニクロのコストパフォーマンスは高く認められているのです。筆者はユニクロも競合のHMZARAも購入しますが、多少の差はあるにせよ、共通しているのは「ハイクオリティでロープライス」です。そして、ユニクロはクオリティにおいて群を抜いてる印象があります。しかし、ユニクロが提供するような990円で良質なセーターが生産できる背景には「徹底した企業努力と残酷な搾取」が紙一重で存在している可能性があるのです。

横田氏の2011年の書籍でも「ユニクロの中国工場での生産の背景に潜む劣悪な労働環境問題」が取り上げられています。ユニクロは批判を受けて対策に乗り出したそうなのですが、その後どうなっているのでしょうか。この件について英語の情報ソースに当たってみることにしました。

ユニクロは近年海外でもブラックな労働環境について非難され続けている

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画像:SACOMのレポートより

ユニクロのラベルを見るとMade in Chinaが目立ちます。ユニクロの中国での生産に関する問題を調査・指摘し続けているSACOM2015年に出したレポートによるとユニクロは生産の70%を中国で行っているそうです。このSACOMStudents & Scholars Against Corporate Misbehaviourという2005年に設立された香港を拠点にするNGOでグローバル企業が関与する社会問題を労働問題を中心に取り上げています。過去にはアップルやディズニーに対しても調査を行い、公表を行った実績があります。

参考:ユニクロキャンペーン報告書日本語


SACOM
2014年の初めごろからユニクロの調査を開始したそうです。その手法は今回の文春と同じように潜入調査です。このレポートは2015年に公表され、当時日本でもSACOMとヒューマンライツ・ナウが共同で記者会見を開いた事から記事が残っています。そして、「東洋経済オンライン」と「iRonna」、「ハフィントンポスト」等が報じた記事を発見しましが、大手新聞社のニュースサイト等は検索に引っかかる事はありませんでした。(※取り上げていないか・SEO的な問題かは不明)

 

レポートの中では、ユニクロの工場(ユニクロが自社基準で”良質”と公に認めた2つの工場をピックアップしたそう)を調査した結果、4つの労働環境や労働者の権利に関する問題を指摘しています。

 

  • 長時間労働と低い給与
  • 危険な労働環境
  • 厳しい管理体制と罰則システムの存在
  • 代表を持たない労働者の弱い立場

 

これについては、iRonnaの記事にも要旨がまとまっていますが、『今年20169月にSACOMが公表したビデオ』が特にわかりやすいです。親切にも(ユニクロが日本企業だから)日本語字幕が付いているので、5分ほどで問題点を把握することができます。

 

youtu.be

※動画が見れない方の為に一部抜粋します。

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有害な化学物質の使用による危険な労働環境の実態や、

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ユニクロの対応姿勢について皮肉たっぷりに語られています。

 

この動画は今年2016年の9月に公開されています。わずか3ヶ月程前です。2011年の横田氏の書籍の発表から5年経った今でも、問題は継続しており、このような「気合の入った動画」が作成されてしまうことから、この問題の根深さやユニクロの問題解決への期待が大きいことが伺い知れます。

SACOMが作成したユニクロの中国での労働環境問題についてのレポートは、今年の8月に最新のものがリリースされています。このレポートでも、問題の全容や経緯を紹介するとともにSACOMが指摘し続けた4つの問題点のその後のモニタリングの結果を紹介しています。

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こちらはモニタリングの結果として、「改善された点(左)」「改善が行われていない点(右)」をまとめています。上の表から見ると安全な労働環境の整備や賃金についての問題が中心的に残っているようです。

この未解決な問題の一部については、ユニクロは2015年の時点から問題の存在を否認し続けているそうです。問題であると認めなければ、対策はしなくて良くなります、だから未解決とされる点が多い。

この点について、レポート内では以下のように言及されています。

Fast Retailing admitted to SACOMs findings of rights violation, after conducting its own independent inspection of both factories: We confirm that, regrettably, the inspection found several problems including long working hours. 28 Fast Retailing, however, disputed SACOMs other findings stating that these were 'differences of opinion.

参考:該当のレポート

ユニクロはこのレポートへのレスポンスとして中国のユニクロ取引先工場における労働環境の改善に向けた弊社行動計画について」を速やかに公表しています。そして、問題の存在を認め、対応策を公表する一方で、SECOMの調査には相違点があると指摘しています。その一例として残業の割増賃金の問題があります。残業代の支払いルールや最低賃金の定め方などの点で双方で認識が一致していない模様です。

 

レポートを通して感じるのは、動画に加えて、レポートもかなり気合が入っている点です。デザイン的にもリッチで全28ページに及びます。冒頭で出た柳井社長の発言や、ユニクロの改善への姿勢が、ジャーナリストや調査団体のプライドに火を付けているのではないかと感じてしまいます。

また、この団体はユニクロに対して「サプライヤーの工場のリストを公表してほしい」と要求し続けているようですが、ユニクロは拒否しているようです。

War on Want is standing with garment workers to demand supply chain transparency from UNIQLO, who refuse to publish their supplier factory lists.

出典:レポートを共同で発表した「WAR ON WANT」のHP

これは、更に詳細な調査をされると目も当てられない労働環境の工場が出てくる事を恐れているのでは、と勘ぐってしまいます。ユニクロは自社でサプライヤーへの調査を行い、重要な違反があった企業との契約を打ち切る等の対応をしています。これは「労働環境モニタリング結果」として公表されています。

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実は、その数字だけを見ると年々増加の傾向にあります。E評価は「取引見直し対象に値する極めて悪質かつ深刻な事項」に該当しますが、2013年に4件だったのが2015年には19件に増加しています。全体の件数でも294件から472件に増えています。これは調査体制が適切に機能し始めたとも言えるでしょうが、外部のSACOMのような団体に徹底的に調査された時に、大きなレピュレーションリスクに発展する危険が僕でもわかります。参考:FR社のCSRレポート

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2011年に横田氏が柳井社長に対して中国の工場への取材許可を要請した際も、以下のように拒否したそうです。

「光と影」著者の横田増生氏によると、柳井社長へのインタビュー後に「中国の工場を取材させてほしい」と頼んだ際、それまでにこやかだった柳井氏は表情を険しく変えて、こう返してきたという。

「ダメ、ダメ。それだけは企業秘密に関わることだから絶対にダメです。(スペインの)ZARAだってどこだって、それだけは見せない。われわれが行ったって、見せてくれないんですから」

参考:ユニクロ柳井社長、中国工場の過酷労働に「非常にびっくり」 あまりに白々しすぎないか? | キャリコネニュース

やはり、中国の工場の実態は(理由は違うが)見せたくないようです。万が一、ユニクロの全生産の70%を担う、大量の中国の工場で、立て続けに「38度の灼熱な労働環境」のような証拠が出てきたらユニクロのブランドを酷く毀損することは間違いないです。

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画像:SACOMのレポートより

もしそうなったら、柳井社長の「働いてみてから悪口を言え」が、ジョークで済まなくなってしまうのです。「これじゃ、働けないよ・・・」と。

ユニクロの立場からこの問題を考えてみる。リッチなCSRリポート。

ここまで、一方的な批判になってしまっているので、反対の立場からも考えてみます。

ここからは、完全に筆者の憶測です。FR社への取材も行っていないですし、公開されている資料の内容にも基づいていません。

 

この問題は間違いなく、アパレル業界全体やグローバル化が進んだ資本主義社会における共通の問題です。つまり、ユニクロだけが抱える問題ではないということ。値上げ路線で失敗し、低価格化路線に戻った、ユニクロにとって、賃金を上げたり、サプライヤーへの支払いを増やすなどといったコスト増による利益率の低下は苦しい。更に、円高の進行によって、親会社であるFR社は為替的にも苦しい状況に。生産現場における労働者の労働環境を改善する為に、積極的な経済的・リソース的な投資をすることは躊躇する気持ちはわかるのです。

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そして、上の動画にあったように、工場の多くはあくまで「委託先で別法人である」ということです。完全な監視や強権的な権利行使は難しいし、サプライヤーへの支払いを増やしても、労働者に還流しない可能性もある。中国の労働市場にとっても、賃金やマネジメントコストが急上昇して外資が撤退してしまうことはマイナスな側面もあります。アメリカの最低賃金の引き上げ問題と同じく闇雲に労働者の待遇を上げる事がベターとは限りません。そもそもサプライチェーンのフルコントールはユニクロのような大企業であっても、現地の国内政治や法律、経済状況が複雑に絡みあう問題で難易度が高いのです。

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参考:FR社のCSRレポートより

と、書いてみました。いかがでしょうかね。当然、「ユニクロは言い訳できない程のパワーがある」と言う意見もありますが。ここまで掲載した、画像やリンク先からもわかるように、ユニクロは毎年かなり熱心にCSRのレポートを発表しています。これを読むと「ユニクロは積極的にCSRに取り組んでいる印象」を受けます。しかし、紙面だけからは、実態がわからないからこそ、横田氏やSACOMのように一次情報に触れに行こうとする方々には頭が上がりませんね。ジャーナリストやメディアの必要性をここに強く感じます。

ユニクロはブラック?に関しての総括

個人的に結論付けるとすれば、「ユニクロの海外での生産について未解決の問題はまだある」、一方で、「ユニクロの中国の問題への解決姿勢は一部不誠実だが、CSRの取り組みは全体的には結構熱心(もしくは脚色が超絶うまい)」といった印象を受けました。

日本を代表する企業になり良質な洋服を手軽な値段で提供するユニクロには今後も頑張って欲しい一方、個人的には「もう少し値段が高くても買いますよ!!」と言いたいです。しかし、市場の競争は素人が外部から想像し得ない程、厳しいのでしょうね。更に、ユニクロは超成長志向なので、「多少の犠牲は付き物」と考えているのかもしれませんね。

※過去に読んだ、柳井さんの経営方針に関する本ではこれが印象的でした。実用的。

経営者になるためのノート ([テキスト])

経営者になるためのノート ([テキスト])

 

実は、ユニクロは今年の決算発表にて、単なるアパレル企業を脱却して、「情報製造小売業」を目指すことを発表しています。「IoTを製造やマーケティングに積極的に活用し効率化を進め成長をしていく」ということだと思いますが、この過程で生産における問題の把握や可視化ができるようになると良いですね。工場の(高温な)温度や有害ガスの発生の検知、労働者の出退勤・労働時間の把握なんかは、センサーの設置やIoT環境を整備して、データ収集すればできるはずです。それこそ、仲が良いソフトバンクとか日本電産(柳井氏と日本電産の永守氏はソフトバンクの役員です)と協力すればできそうです。

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参考:ファーストリテイリング決算説明資料

2016年は、企業(特に大企業)が社会的な責任の放棄やモラルハザードを起こすと燃える例が増えていますね。電通の長時間労働による過労自殺やDeNAのウェルクによる法令違反や信頼性のない医療情報の拡散、パクリ等々。

 

なんだか、バッシングしているのか、褒めているのか、応援しているのかわからない記事になってしまいましたが、こういうニュースをキッカケに企業について調べてみるのはいい勉強になりますね。笑

 

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「世代間の一票の格差を失くす為に年齢で票の価値を差別するのってダメ?」若者の投票率を上げて政治を盛り上げたい。政治の素人が連連と書いてみる

News(ニュース)

政治への関心が高まった2016年。米国大統領選。英国EU離脱など

今年は政治に関連する話題が多かったと感じています。このブログでも今年の最初のヒットは「イギリスのEU離脱を問う国民投票」に関連する記事群で、次のヒットは「アメリカ大統領線でトランプが勝ちそう」っていう内容の記事でした。

 

コレとか

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コレ

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 画像:財経新聞

特にアメリカ大統領戦の報道を見たり、アメリカ国民や候補者のTwitterでの発信を見ているいる中で感じたのは、ありきたりなんですが「国中が世代を超えて、国の未来を決める為に盛り上がれるってなんかいいな」ということです。

しかし、「果たして本当にそうなのか?アメリカの投票率ってどれぐらいあるの?」「日本の投票率と比較してどれぐらいあるの?」「若者の投票率ってどうなの?」なんて疑問や疑念が湧いてきたので調べてみることにしました。

その結果は、「思っていたほどアメリカの投票率は高くない」ということ。更に、「日英米ともに若者の有権者の投票率は低い」「日本は特に若者の投票率が低い」ということでした。

今回のブログでは、まずは調べたデータを見ながら、「(日本において)特に若者が関心がないのは何故なのか」という点を自分なりに考えて、「こうしたらいいんじゃないか」という提案を自分なりに考えてみることにしました。

実は、政治はまったくの素人なので頓珍漢な事を言ってしまうかもしれません。「何もわかってねーな」、「それは実現可能性がない」、「憲法の主義に反している」などのお叱りを頂きたいなと思っています。では、どうぞ。

日英米の最近の主要な選挙での投票率の比較。年代別も

以下の図はUS Elections Projectが調査をしている、直近の選挙を含む、「これまでのアメリカ大統領選での投票率の推移」です。この団体は様々なニュースメディアが大統領選挙の投票率等を報じる際にリファレンスとしている団体のようです。

※このグラフはTelegraphが公表データをベースに独自に作成したものです。

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出典:US Election 2016: Voter turnout fell to 58 per cent this year, estimates show


グラフを見ると、近年のアメリカの大統領選挙では60%前後で投票率が推移しています。オバマが勝利した前回と前々回、2012年の大統領選では58.6%、2008年は61.6%だった投票率が、今回のドナルド・トランプが勝利した2016年の大統領選挙では57.9%まで低下したという結果がでています。この数字は「あれ?そんなに高くないな」という印象ですが、まだ他国の数字がわからないので、印象がボヤっとしています。

そこで、このアメリカの投票率を日本の国政選挙での投票率と比較してどうなのかを見てみます。皆さんが既にお分かりの通り、日本では大統領選はないのでバッチリの比較対象ではないですが、最も関心が高いと思われる衆議院議員選挙の数字と比較してみます。ここでは、総務省が発表している「国政選挙の年代別投票率の推移について」における平成26年12月の衆議院議員選挙のデータを用います。

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出典:総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について

このデータを見ると、日本の全年代での投票率は表内の1番右下のセルにある52.6%という数字です。「日本よりも圧倒的に盛り上がっている」と印象を受けてしまうアメリカの大統領選挙と比較しても、大幅に低くはないんですね。しかし、リストの1番左側(S42年=1967年)の投票率である73%と比較すると「70歳代以上」を除いて、全年代で投票率が下がっている事が分かります。そして、やはり目立つのは20代30代といった若い世代の投票率の低さです。20代では32%、30代では42%と他の年代と比較してかなり低い水準にあることをデータが示しています。

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出典:Voter Turnout Demographics - United States Elections Project

アメリカの大統領選挙における若者の投票率と比較した場合はどうでしょうか。こちらも同じ調査団体が発表しているデータです。ちょっと視覚的にダメなグラフなのですが、比較に必要な数字を拾ってみます。


18-29歳という20代の括りでは、2012年の大統領選挙では約40(58.6)%の投票率、2008年では約50(61.6)%、2004年では約45(60.1)%です。

※()内は全年代での投票率


日本の衆議院議員選挙の若者の投票率は20代では32%、30代では42%だったので日本は米国より若者の投票率が低い傾向にある事がわかります。そして、「若い有権者の投票率が他の年代と比較して低い傾向にあるのは両国で共通した傾向」と、言えます。

もう一カ国、比較の対象に加えてみます。同じく今年2016年に行われた、イギリスのEU離脱を問う国民投票ではどうだったのでしょうか。NHKが報じた所によると、今回の国民投票の投票率は全体の投票率は72.2%。これは、去年5月に行われた総選挙での投票率である66.1%を大きく上回ったそうです。イギリスでは元々投票率が日米よりも高い傾向にあるんですね。しかし、EU離脱を問う国民投票は「特殊ケース」とも言えそうなので、その前年に行われた総選挙での投票率を調べてみました。

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出典:Ipsos MORI | Trend | How Britain voted in 2015

こちらも有用なデータを発見できました。このデータでイギリスの年代別の投票率を見ると18-24歳で43(66)%、25-34歳で54(66)%と、日本・アメリカと同じく「若者の投票率は低い傾向にある」事がわかります。

※()内は全体の投票率

これは、先進国共通の傾向なんでしょうか。世界各国の国内政治の状況に詳しい人教えてください。そして、イギリスを加えても日本の若者の投票率の低さは突出している事がわかります。

なぜ、日本の若者の投票率はこんなに低いのか

インターネット上で検索したところ、「若者の投票率が高いスウェーデンとの比較」を通してこの問題を分析している方が多かったです。その中でも、スライドのみで要点が掴めたのがこの資料です。

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出典:「なぜ日本の若者の投票率は低いのか――スウェーデン の若者との比較からの示唆」 鈴木賢志 明治大学国際日本学部教授

 

つまり、投票行動影響する要素は4つあり、このそれぞれの要素において日本とスウェーデンでは大きな差があるということです。

  • 政治に対する関心
  • 民主主義への信頼感
  • 政党のシステム
  • 選挙/投票システム

この4つの中で1番気になったのは「デモクラシーへの信頼感」です。これは自分も感じるところです。このスライドでもわかる通り「投票したってどうせ何も変わらない」というネガティブなイメージが日本の若者の間では高いのです。アメリカを例外として、英仏独というEUのリーダーとなる国でも若者の政治への信頼感が低い事がわかります。

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なぜ、政治に対しての信頼感が低いのか。色々な意見や仮説を、ネット上で発見することができました。アメリカでヒラリーが負けたのも政治への不信ですし、韓国では大統領が汚職でよく退陣します。これはオンゴーイングで話題になっていますね。日本でも政治とカネの問題などなど、政治への信頼を失うようなニュースが多かった気がします。

様々な意見の中で、個人的に1番説得力があったのが「1票の価値の世代間格差が原因である」という説です。

これが、1番クリティカルな要素なのではないかと思うだけでなく、この世代間格差によって「政治を変えられないと感じる」だけでなく、「本当に政治を変えられないようになっている」んじゃないかと思っています。

つまり、「投票しても無駄だと思う」と感じるのは正しく、「本当に投票しても無駄」になっているんじゃないかと。仮説ですが。

1票の価値の世代間格差とは

世代間で生じる1票の価値の格差とはようするに「選挙において人口のボリュームが大きい世代に有利になりやすい」ということです。

書いてきて疲れてきたので、他のサイトの説明を謹んで拝借致します。。

“世代間一票の格差はまず若年層と高齢者層の人口の違いによって現れます。現在高齢者層は団塊の世代というボリューム層が存在し、高齢化がすすんだため人口が多く、逆に若年層は少子化によって人口が少ない状態です。若年層を現在選挙権を保有する20歳から34歳とするとその人数は約2000万人。それに対して高齢者層は幅14歳として65歳から79歳までとすると約2400万人で、65歳以上の全高齢者人口は約3400万人です。単純計算した場合人口による世代格差は前者では約1.2倍、後者では約1.7倍となります。”
出典:【選挙】地域差よりも深刻!世代間一票の格差について考える【若者】 | SeiZee

このデータでも分かるように、日本は超高齢化社会に突入しているので、このボリューム差の拡大は加速しています。2030年には60代以上のボリュームが45.2%と過半数に近づいていきます。2050年代には60歳以上で過半数を獲れるだろうと言われています。

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画像:【18歳に選挙権法案提出】:深刻な若年層投票率低下 - 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

そして、説明を拝借したサイトでも言及されていますが、このボリュームに「若者の低い投票率」を掛け合わせると更に格差は拡がります。上の画像で出ている2010年の20代と30代の人口比率である30.6%に40%という投票率をかけ合わせて、それを60代以上の37.7%に約65%という投票率を掛け合わせると、以下のようになります。

20代・30代:0.144
60代以上:0.245 

この場合の世代間の格差は1.7倍です。

仮に2030年にこの投票率が維持された場合は、以下のようになります。

20代・30代:0.094
60代以上:0.2938

この場合は3.1倍の格差になってしまいます。これって、いいのでしょうか。

世代間の格差に纏わる話で、僕の記憶に残っているのは大阪維新の会が取り組んでいた「大阪都構想を問う住民投票」です。詳しい数字は調べていませんが、この画像を見ると「賛成の面積の方が大きそう」なのですが、70代以上の反対率と人口ボリューム(投票率も)が効いているのか、反対・否決されました。

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画像:Twitter

世代間の格差が原因の全てとは言いませんし、高齢者の投票行動が間違っているとも言いませんが、選挙を勝負やゲームと捉えた時に、若者が「絶対に勝てないゲーム」、「出来レース」、「無理ゲー」と絶望しかねない状況は既に現実にあるのではないでしょうか。

世代間格差の解決策として何ができるのか「高齢者の票の価値を減らして、若者票の価値を増やす」はダメ?

いつも長文を書くとそうなのですが、今回も例外なく、この後の話が脱線しそうなので、
整理して本旨に戻すと、以下のような流れでここまで連連と書いてきました。

「政治をもっと盛り上げたい」

「日英米で共通して若者の投票率が低い、日本は特に低い」

「世代間格差が諦めや不信感に繋がっているんじゃないか」

「何かいい解決策はないか」←今ココ

ここで、何ができるの?を考えてみたのですが、「若者の投票率を上げる」ことは必要です。その為には既に言及した4つの要素にアプローチすることが必要なのでしょう。

  • 政治に対する関心
  • 民主主義への信頼感
  • 政党のシステム
  • 選挙/投票システム

しかし、事実として存在する「人口ギャップ」はそう簡単に変えられません。出生率を上げる。若い移民を受け入れて参政権を与える。なども考えられますが、どちらも解決策としては現実的でも効果的でもない気がします。

「そもそも世代間の格差って問題なの!?」と改めて問うてみると、「あたかも高齢者が自分たちの世代により有利になる投票行動をして、若者の事なんて考えていない」かのように聞こえてしまうのもちょっと引っかかります。

しかしながら、批判を承知で書きますが、これって「事実」に近いんじゃないかと思っています。

全ての人間がそうではないですが、概ね人間は「自分に」、そして「短期的に」、有利になるように思考・選択をするのではないかと。

ジャック・アタリの「積極的社会建設宣言」で、<人類が今後サバイヴし、現存する様々な社会問題の有力な解決策の根幹になる考え方>として述べられていたのは、〈長期的視点〉と〈合理的愛他主義〉による「積極的社会」の建設です。地球上で最も賢いはずの人類が敢えて、こう考えないといけないというのは、「意思決定時の人間のマズさ」を証明しているような気がしてしまいます。

未来のために何をなすべきか?――積極的社会建設宣言

未来のために何をなすべきか?――積極的社会建設宣言

 

 ここで、「人間が変わらない」という前提に立って(かなり悲観的ですが)考えると、「高齢者の票の価値を下げて、若者の票の価値を上げる制度」というのは、そこそこいい案ではないでしょうか。

例えば、「18歳で1票、60歳で0.5票、平均寿命に到達したら(ほぼ)0票」としてしまうのです。こう書いて自分で眺めると、すごくダメな気がしてきました。これってそもそも憲法に違反しますかね。どうすれば実現できるんでしょうか。

しかし、他に思いつきません。いい案や説があれば教えてください。

今回、調べながら「日本で許される選挙運動の内容や期間」、「立候補へのハードルの高さ」など、まだまだ書きたいし、知りたいことはたくさんあるのですが、今回はここまでにしておきます。

このブログをまとめると、「日本の政治を盛り上げる事を目的として、若者の投票率を上げる為の解決策としての、世代間格差の解消の提案」でした。

終わり。

スマートウォッチが「手放せない」アイテムになり、爆発的に普及する為にはどのような点で進化しないといけないのか。アップルウォッチと市場の現況から考察する。

AppleWatch(アップルウォッチ)

スマートウォッチ市場の現況。現時点の勝者はやはりアップル。

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僕がApple Watch Series2を購入してから、しばしの時が経ちました。初代のアップルウォッチや他社のスマートウォッチと比較すると、個人的にはかなり完成度が高く洗練されていると感じています。詳細に調べてはいないですが、アップルウォッチが(価値がある)アプリケーションの数としても最も多く、日本ではApplepaySuica決済に対応した事もあって「スマートウォッチを買うならAppleWatchという感になっている気がします。日本ではiPhoneのシェアが他国と比較して高い事も要因です。

上の画像はIDCが発表したスマートウォッチのシェアです。AppleWatch Series2が本格出荷される前のデータなのですが、それでもアップルウォッチのシェアが最も高いです。恐らくウォッチ2の発売後のシェアはもっと高いのではないかと予想されます。Garminはランニングやトライアスロン等のスポーツに特化したスマートウォッチなので、汎用性スマートウォッチの実質的な唯一の競合であるサムスンとのスマートウォッチ市場での力の差は明らかでしょう。

それでもスマートウォッチをしている人を街であまり見かけない

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画像:http://i.meet-i.com/?p=181902

それでもAppleWatchを含むスマートウォッチをしている人をなかなか日本で見掛ける事が少ないのが現状です。AppleWatch 2が日本でもApplePay及びSuicaに対応した事で、日本でも爆発的に増えるかと思いましたが駅の改札で私と同じように「時計を改札機にかざしている」人をまだ見たことがありません。

実は、友人でスマートウォッチをしているのを見たことがあるのも片手で数えられる人間しかいません。一人はサンフランシスコでウェブサービスを立ち上げている友人、もう一人は通信系の企業にコンサルティングサービスを提供している友人。つまり、依然としてスマートウォッチは「テクノロジーが好きだったり、新しいものに触れるのが好き(ないし必要がある)だったりする人が使い始めている段階」であると感じています。

下記のリンクの統計調査によると、「アメリカでは8%の人がアップルウォッチを所有している」そうです。12人に1人と言われると、あり得なくもない数字です。それでも、まだまだ市場が盛り上がっているとは言い辛い状況です。

参考:http://expandedramblings.com/index.php/apple-watch-statistics/

 

スマートフォンであるiPhoneと異なり、AppleWatchであるスマートウォッチが難しいのは、必需品ではないということです。これはiPadを含むタブレット端末も同じですが、「あるといいけど、なくても困らない」という位置づけなのです。

 

これは完全に一個人としての願いなのですが、「スマートウォッチがもっと普及して、市場にイケてるアプリやサードパーティの製品(ケースとかバンド)がもっと増えて欲しい!」と思っています。以前の記事で「アップルウォッチのアプリ50選」を書きましたが、正直な感想として種類も完成度も「iPhoneと比べるとまだまだ」なのです。

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故に、アップルだけでなく、Android(アンドロイド)勢にも頑張ってもらって、健全な競争な中で製品やアプリ、それによるユーザー体験が洗練されていって欲しいのです。

そこで、今回は「スマートウォッチの更なる普及の為には、どのような点で進化しないといけないのか」を勝手に考えてみました。

スマートウォッチが「手放せない」レベルのアイテムになる為に、を考えてみる

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スマートウォッチが「手放せないレベルのアイテムになる」、つまり「スマートフォンと同じレベルの必要性を感じる」ようになる為には、3つの要素で強化されることが必要だと感じています。

1.腕時計であるという「独自性」の強化と活用

スマートウォッチはその名の通り「スマートな腕時計」です。そして、「腕に」「スマートな」コンピューターがあるという点がスマートウォッチの「独自性」だと考えています。

この「腕時計」×スマートさ」という点で、現状のスマートウォッチがユーザーにどのような体験を提供しているのかをまず考えていきます。僕はアップルウォッチしかヘビーに使った事がないので、説明は全てアップルウォッチを用いて行います。

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画像:ナイキ

まず、アップルはナイキとコラボレーションしてランニング関連のアプリケーションを強化したり、防水機能を搭載してプールでの水泳やオープンウォータースイミングに対応したりスポーツに特化しています。アップルのマーケティングからもこの点を強調している事が伺えしれます。これはアップルがスポーツ分野でアップルウォッチが特別な体験を提供できると確信しているからですよね。これは、スポーツをする時に「腕時計であれば邪魔になり難い」という独自性が生み出す利点に、「IT×スポーツで、その体験をリッチにできる」というIT(スマートさ)の強みを掛け合わせて、ユニークで素晴らしいユーザー体験を提供しているのです。

 

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画像:Axeetech

この視点から、AppleWatch×ApplePayでの決済も同じように考察することができます。「腕時計は財布と違い、取り出す必要がない上に、決済をしようとする時に、決済端末と最も距離が近い」という独自性が生み出す利点に、「オンライン上でのチャージやデジタルなレシートの発行と保存といったスマートな決済」というIT(スマートさ)の強みを掛け合わせて、ユニークで素晴らしいユーザー体験を提供しているのです。

 

アップルウォッチ(スマートウォッチ)が提供するこの2つ体験は、一度使うとユーザーがスマートウォッチを「手放せない」と感じるようになる体験の有力なもの1つです。キラーコンテンツとも言えるでしょう。

 

しかし、個人的にはまだこの「腕時計」×「スマート」による独自性の発揮は可能だと思います。いくつか説明します。

 

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画像:Youtube
まずは鍵」です。これはスマートウォッチメーカーが「スマートロック」を提供するIoTのプレイヤーと積極的に組んで普及させるべき領域だと考えています。ポケットやカバンからカギを探すという経験は誰しもが体験するはずです。これがスマートウォッチの中に収まれば、カギを携帯する必要がなくなります。これは決済での「独自性」×「スマートさ」そして、単純なモノとしてのカギと異なり、スマートウォッチがカギ化すれば、「いつ、誰が施錠/解錠したか」が全てログとして残ります。実は既にスマートウォッチと対応したスマートロック製品は市場にありますが、キラーコンテンツになり得ると感じています。賃貸マンションや賃貸オフィスのカギが、建て替えやメンテナンスのタイミングでスマートロック化が検討される普及してくれば、「スマートロックがあるからスマートウォッチを買う」という層が出てきてもおかしくないと思います。スマートロックに限らずIoTホームデバイス全般はスマートウォッチと相性がいいと思います。

blog.tokoproject.com

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画像:Cult of Mac

次はIDカードを含む多種多様なカード」としての機能です。例えば、免許証や保険証やキャッシュカードやオフィスのセキュリティカードなどです。アナログなカードをデジタル化する取り組みはスマートフォンでも行われていますが、理想形はカギや決済と同じくスマートウォッチです。これも「パっと取り出せて」、「デジタル化されると」便利でキラーコンテンツになり得ると思います。

ここまでいけば、カギ、財布、カード(身分証明書やセキュリティカードを含む)といった普段持ち歩いて、取り出す頻度が多いモノののほとんど全てをスマートウォッチに内蔵することができます。更に言うとAppleWatchは「TouchID」での指紋認証に対応していませんが、デジタル×指紋認証などの「バイオメトリクスな認証」で本人認証ができるようになれば、契約や行政手続きなども「手ぶら」でいけるようになるかもしれません。

アップルを含むスマートウォッチのプレイヤーには、サードパーティのベンダーと連携しながら、キラーコンテンツの普及・強化をして欲しいなと思っています。特にSamsungIoTカンパニーのSmartThingsを買収したりしているので頑張って欲しいし期待しています。アップルはストアで扱うIoT製品をもっと熱心に売って欲しいなと。

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2.カラダとの「密着性」を活かしたヘルスケアでの利用

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画像:HuffingtonPost

これもスマートウォッチが「腕時計である」ことの独自性の一種ですが、カラダとの「密着性」という言葉で分けて考えていきたいと思っています。スマートウォッチが登場する前のウェアラブルデバイスといえば、「FitBit(ふフィットビット)」や「Jawbone(ジョーボーン)」等のヘルスケアに特化したデバイスが中心でした。歩数や消費カロリーなどのアクティビティトラッカー、心拍数の常時測定、睡眠のトラッキングなどといったデータを、腕に装着したブレスレットを用いて収集し、アプリケーションで可視化したり、分析データを提供したり、アドバイスをしたりといったものです。

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画像:healthinformatics

実はこれらの全てはアップルウォッチでも実現することができます。AppleWatchを装着していれば、アップルが提供する純正のアプリケーションで、心拍数、歩数、消費カロリー、運動の記録などはほとんど全て自動で収集してくれます。しかし、それだけなんです。日々のカラダのデータが残ったり、それを元に「もっと歩きましょう!」といったリマインドをしてくれるのは悪くはないんですが、もっとクリティカルなメリットが必要だと考えています。

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画像:Theranos ※これは詐欺でした。

スマートウォッチだけではハード性能の限界もどうしても出てきますが、現時点での実現可能性を度外視して、ワガママを言えば、まずは収集できるデータの種類が少ないのです。例えば、最近話題になっている「血糖値」のデータもそうですし、「体温」も常時測定できたら嬉しいです。これは、メディカルIoTに取り組むメーカーによってサードパーティ製品が出揃う事を願う一方で、スマートウォッチのメーカーも積極的にセンサーを小型化・高度・低価格化にする等で「スマートウォッチだけで収集できるメディカルデータ」の数を増やして欲しいなと思います。

 

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画像:MacRumors

 

もう一つは収集したヘルスケア・メディカルデータの現実の医療現場での利活用の問題です。「病院に行ったらアップルウォッチに内蔵された診察券でタッチをすることで受付ができて(保険証データの提示も)、患者の同意の下で直前2週間のヘルスケアデータや基本のメディカルデータ(自分の過去の病歴や薬の服用歴)も提供できる」「服薬後にアップルウォッチで収集されたデータはドクターに自動送信されて、再受診や薬の変更の必要性を遠隔で判断してもらえる」といったレベルまで実現して欲しいなと思っています。

 

日本の病院のシステムやヘルスケア領域は「実現可能なポテンシャルの10%も発揮できていないんじゃないか」と思うぐらい、イケてないです。これだけインフラが整っているのにもったいないと思います。高齢化で患者数が増え、医療リソースを最適化しないといけない中で、効率化の為にアベイラブルなテクノロジーは積極活用して欲しいなと思います。

3.生活必需品としての「快適性」の向上

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画像:Apple

AppleWatchを使い始めて、その快適性について感じる事は「それなりだがまだまだ」ということです。まずは、バッテリーです。外出する日に、AppleWatch2をそれなりに使う日は夜は充電しないと次の日の昼ぐらいにはバッテリーが切れてしまいます。この状況では、1.で説明したようなカギや決済などの要素で利用する場合に安心感を持つことができません。そして2.のヘルスケアでの活用においても、「データ取得の中断」が発生してしまうのです。


「バッテリーが切れて決済ができない事がある」というレベルでは、ユーザーは財布を完全に手放せません。

※SuicaはFelica内にデータが残っているのでバッテリーが切れてもOKなのですが、ApplePayでIDやQuickPayを使う場合はバッテリーがないとNG。


「バッテリーが切れてデータが取れていない時間がある」というヘルスケアサービスでは、ユーザーは完全に信頼することができません。

 

ここはテクノロジーのブレイクスルーが必要です。「1回の充電で1ヶ月バッテリーが持続する」、「1分でフル充電できる」というイノベーションの話やニュースを近年よく聞くようになりましたが、早く実装して欲しいです。

スマートウォッチに求められる「快適性」のもう一つの要素は「操作性」です。指を使ってスマートウォッチの小さな画面でコンピューターを操作するという「難しさ」はアップルもよく理解しています。故に「デジタルクラウン」を搭載し、「Siri」を活用した音声入力や操作を、ユーザーインターフェースの中心に置いているわけですが、これもiPhoneの完成度と比べるとまだまだのレベルです。

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画像:dailymail

 

どうしても「どう操作すれば目的が達成できるのかわからない」という場面に遭遇しますし、音声入力も精度がイマイチです。特に日本語はイマイチ。徐々に改善されていくのだと思いますが、特に音声認識は早期に改善しないと、爆発的な普及の妨げになると思います。※今でも精度は良いんですが、ストレスはあります。

 

まとめ:スマートウォッチの更なる普及の為に

ここまで書いてきて、やはり、「かなりワガママで妄想が入った希望論」になってしまいましたが、実現可能性がゼロのアイデアはないなと思っています。アベイラブルな技術をギリギリ組み合わせればどれもできる気がします。それをストレスない製品とサービスにするのが至難の業なのですが・・・

それでもやはり、現時点でアベイラブルなIT技術の活用方法を考えたり、これから来るIoT(モノのインターネット)時代を妄想したりするのは面白いなと思いました。

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画像:Pinterest

 

そして「アップルウォッチはまだまだ」といった印象を与える記事になってしまいましたが、「現時点でも十分にイケてる製品」です。これは以前に記事にしているので是非お口直しとして御覧ください。今回の記事は「もっと!」というワガママな記事です。

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以上。

DeNAの「WELQ(ウェルク)」の問題で、ウェブメディアの在り方が問われている気がするので部外者が勝手に考えてみる

News(ニュース)

DeNAの「WELQ(ウェルク)問題」のココまでをまとめてみる。

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【この記事の目次】

私の2日前のエントリーであるWelq(ウェルク)で炎上しているDeNAがこんな事業をしないといけない訳。決算書で見るDeNAのジレンマ。 - TOKO PROJECTへのアクセスが全然収まる気配がありません。こんなに話題になるなんて全然思っていなかったので正直戸惑っています。GIGAZINESmartNewsNewsPicksといった、自分が普段よく見ている名立たるメディアに自分の記事が掲載されてしまい、不思議な感覚に陥っています。なんだか「幽体離脱をした気分」で他のメディアに掲載された自分の記事を見てしまっています。(これではイカン。)このブログは月10万PVに届くぐらいになってきましたが、突き抜けました。改めてソーシャルの拡散力に驚愕です。

 

さて、本件については、ブロガーの永江さんの11月24日の第一砲の記事で火が付いてからいくつか動きがありました。起点となった記事をまとめてみました。

 

①燃え始め:無責任な医療情報、大量生産の闇 その記事、信頼できますか? | Buzz Feed  

この辺から少しずつ煙が立ち始めていた気がします。ブラックシードや水素水といった「?」といったデマ情報が目立ち始めて、ウェルク自体の運営方針やその手法等の問題が強く提議され始めました。

 

②第一砲DeNAがやってるウェルク(Welq)っていうのが企業としてやってはいけない一線を完全に越えてる件(第1回) | More Access! More Fun!

そして、この永江さんの記事で完全に火がつきました。グーグルで「DeNA」で検索してもこの記事がオフィシャルサイトに次ぐぐらいの上位に表示されていました。

 

ーココでウェルクが「編集部からのお知らせ」を発表。内容がマズくて更に燃える。

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参考:【お知らせ】「専門家による記事確認」および「記事内容に関する通報フォームの設置」について|WELQ [ウェルク]

 

③加勢東大薬学部五十嵐准教授がDeNAのウェルク(Welq)をさくっと検証した結果(シリーズ第3弾) | More Access! More Fun!

問題の存在に賛同し、ウェルクへの批判に加勢する人がネット上で一気に増えてきました。パクリ記事の魚拓取りやパクリ具合の検証が次々と進み、その違法性やパクリなど倫理的にアウトな点について、DeNAが完全に言い逃れができないところまで追い詰められた感があります。

 

④組織的な関与を示すマニュアルが内部からリークDeNAの「WELQ」はどうやって問題記事を大量生産したか 現役社員、ライターが組織的関与を証言 | Buzz Feed Japan

そして、この記事で完全にDeNAがKOされました。現役社員に裏取りまでしています。そして、ウェルクだけでなくDeNAが運営するその他のメディアの運営上のマズさや、ガバナンスの問題や組織としての倫理観の低さまで浮き彫りになってしまいました。

 

そして、現役の都議も動き出しました。おときた駿さんが行政を動かそうとしています。

 

これだけ燃えていても、運営元のDeNAは問題が指摘されている記事を続々と削除しているだけでダンマリです。

 

追記:11/29 ウェルクは全記事を非公開にした事を発表しました。

news.yahoo.co.jp

 

更に、タイミングが悪いことにDeNAの創業者である南場会長は11月24日に講演会を行っていて、以下のように語ったそうです。

特別講演で挙げた、新規事業のもう1つが、2014年から開始したヘルスケア事業だ。南場氏同様、それまで健康だった夫が大病を患ったあと、2年にわたって闘病生活をともに乗り切った。「夫が健康でなくなって後悔の念にさいなまれた。病気になって悔やむ人が減ることを願って、会社に戻った2013年、ヘルスケア事業の立ち上げに着手した」と、南場氏は経緯を語る。

参考:速報 - 新規事業で日本改革に挑む、DeNAの南場会長が講演:ITpro

もう少し遡って11月4日には、守安社長が以下のように語っています。

守安功代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)は、「キュレーションプラットフォーム事業は、利用者数や売上高が想定より早いペースで伸びている。今後も安定的な増収を見込んでいる」と話す。

参考:ニュース - DeNAの2016年度上半期は増収増益、スポーツと新規事業が好調:ITpro 

経営陣の発言が概ね裏目に出てしまっていますね。DeNAは順調だったこの事業に相当な投資を行い、IR等を通して投資家を期待させてしまっているので、「自ら事業をシャットダウンすること」を相当躊躇してしまっているのだろうと思っています。(憶測です) 

DeNAの「WELQ(ウェルク)」があぶり出したウェブメディアの課題

今回の「WELQ(ウェルク)問題」を通して思う所があったので、完全に部外者なんですが、勝手に考察して、勝手に語ってみたいと思います。個人的には、今回の問題は、コンテンツを作るウェブメディアや記事を読むユーザーに対して「このままでいいの?」と言っている気がしてやまないのです。特に3つ。

  1. メディアに期待される役割とビジネスモデルのジレンマ
  2. Googleへの依存性
  3. メディアと読み手との関係性

1.メディアに期待される役割とビジネスモデルのジレンマについて

この点は自分が書き手として、いつも感じてしまう所です。ウェブであるかに関わらずメディアに期待される役割とは「価値のある情報の提供」です。

そこには「正確性」「速報性」「面白さ」「独自性」などの要素があることによって「読み手にとって価値のある情報」になります。「権力の監視」など色んな言葉はありますが、概ねこのメディアの役割には疑いの余地がないと思います。

メディアがビジネスとして成立しようとすれば、当然収益を得る必要があります。書き手もボランティアではないので生活をしないといけません。株式会社であれば出資者に利益を還元しないといけません。そして、ウェブサイトの構築や管理はゼロコストに近づいていますが、それでも少なからずお金が必要です。

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画像:33 Proven Ways To Monetize Your Website or a Blog - WebsiteSetup.org

 

(※上の画像のリンクによると33のマネタイズ方法があるようですが)

一般的に"ウェブ"のメディアの場合の収益源は概ね、定番の3パターンです。

①GoogleアドセンスのようなPPC広告をユーザーがクリックする

②Amazonや楽天等の商品を紹介するアフィリエイト広告でユーザーが購買行動をする

③記事の閲覧を有料にして月額を読者に課金する


このブログもそうです。Googleのアドセンスの広告を貼っていますし、はてなブログによって提供されている、Amazonの商品紹介用のブログパーツも利用しています。僕はこの収入によって毎月書籍を数冊買ったり、はてなブログProの料金を払うぐらいの収入にはなっています。 例えば、こんな感じです。今、あなたがこのリンクをクリックした場合、僕が一生懸命書く、この先の記事の内容は読んでいただけないでしょう。

Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書

Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書

 

このある種のお小遣いは、僕が記事を書くインセンティブになっているのは間違いないのですが、僕自身がブログを書く1番の理由は「読んでもらいたい」からです。今回のバズった記事のようにコメントが沢山もらえて、建設的なフィードバックをもらえることが1番の快感です。


ところが、ビジネス的に考えると、この①のアドセンスも②のアフィリエイトも、共通して「ユーザーの読むという行為を中断させる」のです。①であれば、広告先のウェブページに飛んでいって自分のブログから離脱してしまいますし、②であれば同様にブログから離脱してユーザーはショッピングを始めてしまいます。※③の有料課金は後で書きます。これは、いつもジレンマに駆られてしまいます。「カネの悪魔的な怖さ」も感じています・・・

 

この葛藤や相反は、私のような「零細ブログ」でも当てはまりますし、DeNAのような事業者として「利益」を追求した時は「ユーザーを離脱させればさせるほど収益が上がる」とも考えられてしまい、メディアとしての役割や願いと相反するマインドを生みやすいのです。

 

特にDeNAのようなコンサル会社の出身者が多く、とても事業の効率性追求にこだわる企業は、(他の多くのメディア運営企業と同じく)このメディア事業でも、絶対に計算式にしてアプローチを考えているはずなので、【訪問ユーザー数×訪問当たりのPV×平均広告接触数×広告クリック率×広告単価=収益】といったように捉えているはずです。

 

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画像:Data-driven software making analytics work for businesses | ITProPortal

 

この視点でウェブメディアのビジネスを考え始めると、1番アプローチしやすいだろう【訪問ユーザー数を増やす】方向に動くのは自然です。広告単価は景気や広告主の意向に強く影響を受けますし、クリック率向上もアドテクの領域(DeNAはここも強いですが)です。そして、訪問当たりのPVを増やすことはメディアの価値の向上には繋がりますが、収益を直ちに上げるものではありません。単純に効率性で言えばユーザーを速やかに離脱させた方が収益は上がるのですから。

 

【訪問ユーザー数を増やす】を増やす為のアプローチを考えると、以下の3つの方法があります。

 

①検索エンジンからの流入を増やす

②ソーシャルメディアで拡散させる

③ブックマークやRSS経由でリピーターを増やす

 

先程の式のようにKPIを設定して、データを分析して効率性の良いアプローチをしたいDeNAのような企業にとっては①が唯一の選択肢になります。その理由は検索エンジンはハックできるからです。「キーワードごとの検索数」や「関連キーワード」、「競合の分析」や「検索エンジンのアルゴリズム」などのSEOに必要なデータがある程度入手可能で、それを分析することでデータドリブン型のアプローチが可能になります。ここで強みが発揮できるのであれば、競合メディアと差別化できる余地が大きいからです。②と③はある意味予測不可能な点が多く、企業が戦略を展開するのには向いていません。

今回のDeNAが『パレット構想』で採った戦略も【訪問ユーザー数を増やすためには検索ボリュームのあるキーワードで検索エンジンの上位を独占することが有効だ。その為には<SEO的に最適な記事>を量産することがもっとも有効だ。その記事は低コストで量産できる方法がある。】という方向性で進められたと推測できます。

 

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画像:今回も問題になった「死にたい」というキーワードでの検索ボリューム


冒頭のテーマ設定に立ち戻って、メディアに期待される役割が「価値のある情報提供」であったことを思い出すと、<SEO的な最適な記事>=価値があると決して言えないと思います。既にお話しした通りジレンマに毒されると、その役割は忘れ去られてしまう可能性が高いのです。更に、今回のウェルクの問題は情報自体に価値があるどころか有害で、更に制作過程にパクリや盗用があった事でメディア自体も社会的に有害な存在だったことが、明らかになり、炎上が加速したのだと僕は考えています。

僕はこの問題に絡み、このようなツイートしましたが、現在のSEOで上位表示されるような(ウェルクがそうであったように)のルールを意識して記事を書くと、読むユーザーにとっては読み辛くなることを感じています。

読み手としても、最近の傾向としてもウェブ上にリリースされる記事の文字数は以前より長くなっていることを感じます。そして、書き手として検索エンジンに評価されるのも文字ボリュームがある記事だと感じています。

 

更に言うと、「既にある1,500字の記事をなんでもいいから5,000字ぐらいまで引き伸ばして」っていうライターに対してのオーダーが実際に増えているそうです。

 

記事に不足していた情報を追加することで、情報の価値が上がる事もありますが、ライターさんは◯円/文字という料金体系で仕事を受けているので、どうしても楽して文字数を増やしたいというインセンティブが働いてしまいます。例えば、こんな風に文字数を増やすことも可能です。情報の価値は上がっていません。ただ、長くなっただけです。

Before:「SEOを意識してライティングをすると、誰に向けて書いているかわからなくなるよね」

After:「最近のグーグルの傾向を鑑みて、SEOを意識した上でライティングをすると、どんなユーザーに向けて記事を書いているのか、よくわからなくなるよね」

こうした動向によって、ウェブ上にある記事全体の量の増加と価値の増加が比例しなくなっているのです。価値が増加しないのは、「本当に価値のある情報の発見可能性」が、「価値のない情報いよる妨害」によって落とされているからです。

 

実例で言えば、病気や健康の事を知りたいユーザーは本当は「WELQ(ウェルク)」ではなくて「MEDLEY(メドレー)」に辿り着きたいのに、そうはなっていないんです。

「MEDLEY(メドレー)」は医師が作っている医療系のメディア/DBです

medley.life

 

2.Googleへの依存性について

ここまで問題を分析すると、問題は「Googleの検索エンジンへの過度な依存」なのではないかと考えてしまいます。メディア事業者がビジネスをドライブさせる為に、訪問ユーザー数を増やそうとすれば、意識するのはやはりGoogleなのです。

 

Googleも「ユーザーが検索エンジンに対して信頼を失えば」自らの首を締めることになるので「価値のある(ユーザーが求める)情報を上位に表示させる」ように検索のアルゴリズムを過去に何度も変更し改善を試みています。

 

1つの例として、GIGAZINEが報じたようにGoogleは悪質なコンテンツの除外/通報ツールをブラウザの拡張機能として一般ユーザーに提供しています。

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参考:Google検索結果の悪質なサイトを非表示&通報し検索品質アップに貢献できるGoogle公式Chrome拡張機能「Personal Blocklist」 - GIGAZINE

 

Googleは頭の良い人達と優秀なエンジニアを集めて「現在、実現できる最適解」を目指すべく、可能な努力は試みているんです。

今回の件で浮き彫りになったのは、「ユーザーもウェブメディア側もGoogleへの依存度が超高い」こと、「DeNAの検索エンジンの攻略レベルがとっても高かった」ことです。これに対してのスジの良い改善案が浮かばないからこそ問題の根が深いと考えています。

Googleはアメリカの大統領選で批判を受けた虚偽コンテンツへの対策や、今回のようなコピーコンテンツ対策を進めるでしょうが、DeNAのような方針で戦おうとするプレイヤーとのイタチごっこは人々が「読むことによって情報を得ようとする限り」続く気がします。

 

今回の件ではDeNAが東証一部上場企業だから「企業価値を損ねるような批判を避ける為に止める」というインセンティブが働きますが、未上場の無名のモラルのない企業が同じことをしようと思えばできてしまいますし、それを防ぐ方法も見当たりません。これは、Google、メディア、ユーザー三者の共通の課題だと感じています。

今後は、Googleの検索をベースに個別のユーザーニーズに合致するようにカスタマイズした検索サービスなんかは出てきてもおかしくないですね。フィンテックベンチャーの『アルファセンス』提供する「Googleから投資に関連しない情報を排除した投資家向け検索システム」なんかがその例です。

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3.メディアと読み手との関係性について

僕は、「メディアと読み手の関係性」にも疑問を持っています。今回のウェルクの件でいえば、そのメディアとの関係性は無いに等しいのではないでしょうか。「ウェルクのファン」なんてのはほとんど存在しないでしょうし、下手したらメディア側は「検索の都度、狙い通り網にかかってくれる魚」としかユーザーを見ていないのでしょう。

スマートニュースやフェイスブックなどのプラットフォームから情報を得る事が多くなったユーザー側からしても「特定のウェブメディアのファンだ」という人は少ないのではないでしょうか。これって健全でしょうか?

 

とはいえ、ウェブメディアを運営する側としても、ファンやリピーターを増やす方向にはなかなかシフトできない事情があります。インターネットとモバイルインターネットが広く普及し、コンテンツの量も爆発的に増えたことによって「情報はタダ」と思っているユーザーが増えてしまっていると私は考えています。

それを象徴するように、AppStoreでは「広告ブロック」のアプリがランキングの上位にランクインしています。このある種の「広告がウザい」というユーザーの意思表明は、「情報にも価値があること」が忘れられている事を意味しているのではないでしょうか。これらのユーザーを相手にビジネスをしても儲からないのです。

 

既に、マネタイズの方法として書いた③で有料課金する方法もありますが、これはかなりメディアのブランドやコンテンツのクオリティを担保できないと成立しません。海外ではウォール・ストリート・ジャーナルや、国内ではNewsPicsなどの本当に限られたメディアだけでしょう。中小メディアが有料化に踏み切れるユーザーの土壌があるとは到底思えません。

そして、個人的には大手のメディアが記事の有料化を進めてくれることを願っています。有料化して記事をクローズにすると検索流入が減るという課題はありますが、「価値のあるものにはお金を払う」ということがわかりやすく健全で対等な関係だと思うし、「良質な書き手に提供した価値に見合った収入が入るシステム」ができると良いと思っています。 

ちょっと、長すぎて何を書いているのかよくわかんなくなってきたので終わります。とにかく「検索したら探している情報が見つかり」、「書き手が良い情報を提供しようと努力て切る」健全な状態を望みます。それが実現できるようにメディアとユーザーで健全な関係構築が必要だと思います。そして、自分のブログも成長を狙いつつ方向性を模索したいと思います。

 

Fintech系ユニコーン企業3社から学ぶフィンテックのビジネス。評価額10億ドル超の金融ベンチャーをピックアップ。

Fintech(フィンテック)

やっぱりイノベーティブなベンチャーが好き。今回は久々にフィンテック。

このブログは元々はテクノロジーとかベンチャーの事を書きたくて始めたのですが、しばらくの間、「ドナルド・トランプ」とか「アップルウォッチ」とか「Welq(ウェルク)」などなど、少し本来書きたいテーマから外れてしまった記事が多かったので、久々に原点回帰をしてみました。

 

やっぱり僕は「世界を変えるディスラプティブな発想な事業モデル」が好きで、その世界に触れたい時は「ユニコーン企業」に注目するようにしています。ユニコーン企業とは「未公開企業で企業価値が$1B超の企業」のことですが、僕が注目する理由は以下の通りです。

  • ある業種やビジネスの急速な企業価値の上昇は社会変化の兆しである
  • 有力なVCが投資をしているということは「実現(発生)可能性の高さ」の証明
  • 派生ビジネスを考えるのに役立つ次世代の基礎技術や巨大な市場が潜んでいる

これが僕がユニコーンに注目する理由です。ユニコーンへの投資機会なんて絶対にないので、経済的なインセンティブはありません。でも、やっぱダイナミックなチャレンジって面白いんですよね。UberもAirbnbもインフラレベルまで成長しましたし。

今回はフィンテックです。このブログを書き始めた当初から注目していたのですが、改めて調べてみても面白いなと思います。今回は3社ほど紹介します。

1.Mozido(モジード)評価額:約2,400億円($2.4B

ー事業の概要

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Mozidoはアメリカのテキサス州を拠点とするFintechベンチャーで、スマートフォンのアプリケーションを使ったデジタルウォレットサービスを中心とした決済プラットフォームを提供している。世界には「携帯電話は持っているが銀行口座は持っていない」という人たちが20億人存在しており、Mozidoはこのような主に発展途上国のユーザーをターゲットにしている。メキシコ、中央アメリカ、カリブ、中東、東南アジア、アフリカを中心にサービスを拡大中。ジャマイカが最も勢いがあるそうです。

 

Mozidoで何ができるのか

Mozidoのウォレットを利用するユーザーは2種類存在する。1つは消費者。そして、もう1つはリアルなお店やオンラインのショップ運営事業者、そして既存の金融機関等の事業者だ。

 

消費者側のユーザーはCONECと呼ばれるクラウド上のウォレットを、スマートフォンのアプリケーション経由で操作・管理する。銀行口座を保つ必要は一切ない。ユーザーはこのウォレットから支払いや送金を行う。お店やオンラインショップでの支払いはもちろん、サービスを提供する事業者はMozidoのアカウントID宛に請求書を発行し、ユーザーはこのウォレット上から公共料金等の請求書の支払いをするといったことも可能だ。

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その他の機能として海外送金や、P2Pのユーザー間の送金、現金の引出、銀行口座からの預入、そして途上国では一般的な携帯電話会社のプリペイドクレジット(Airtime Top-up)の購入も提供されている。

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事業者にとっては複数のPOSシステムに対応しているなどの利便性に加えて、Mozido経由で支払いをしたユーザーに対してのポイント付与などのリワード支援機能や、ユーザーの携帯電話の位置情報と連動したキャンペーンの展開などの付加価値がある。また消費者であるユーザーとの決済やコミュニケーションだけでなく、B2B mVaultと呼ばれる事業者同士での決済にも対応している。

 

これだけの機能を銀行口座がなくても、銀行を介さなくても、リアルなお金としての機能を果たすエコシステムが構築されているのだ。

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ービジネスモデルの考察

日本に住んでいると、このようなサービスの必要性を感じる事は少ない。銀行口座を持つハードルは低く、クレジットカードは幅広く利用可能、銀行の支店やATMは至る所にあり、SuicaIDQuickpayなどの電子決済もとても便利だ。日本の金融サービス・決済サービスは改善の余地はあるもののとても整備されていると言える。現金を持っていて強盗に襲われる心配も、このMozidoがターゲットにする地域と比較すると格段に低いだろう。そして、昨今南米で大規模な摘発があったように、偽札の流通もあり現金に対しての信頼も相対的に低い。

 

Mozidoがターゲットとするような国では、そもそも銀行の支店がほとんどなく、ATMも少ない、もしくはATMのサービスの提供(回線とか)が非常に不安定だ。個人的な経験から言っても、東南アジアなどでは、現金をGETするのにも一苦労で、タクシーに乗る時は現金を一定額用意しないといけなかったりと、お金に関する不便やストレスが多い。

 

このような背景を抱えた国が経済的な発展を加速させる為には、このMozidoのようなプラットフォーム的金融サービスはとても重要で、受け入れ普及するスピードも早いことが特徴だ。それを象徴するように、この手のサービスは実は歴史がそれなりにあり、古くは2000年代後半からアフリカで地位を得始めたM-PESAが有名だ。

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画像:http://gaiax-socialmedialab.jp/post-28328/

そして、現在インドでシェアを急速に伸ばしているOne97  Communications社のPaytmも決済サービスとウォレットを提供している。Paytmはインド最大級のオンラインマーケットプレースも展開している。その他にも、日本ではLINEがLINEpayを提供しているし、中国ではアリババのAlipayが急速にシェアを伸ばしている。

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画像:Paytmのサービスラインナップ

 

背景は違うが、ウォレットを電子化して現金を廃止しようとした取り組みとしてはイーロン・マスクやピーター・ティールがチャレンジした「Paypal」も有名だ。Paypalはレガシーな金融サービス事業者の圧力や規制によってその野望を果たすことはできなかったが、インフラや規制が整備されていない途上国ではチャンスが大きい。また、仮想通貨であるビットコインなどのブロックチェーン技術を用いた技術も、今後金融インフラが脆弱な国や、政情が不安定な国では同様の役割を果たす可能性があるだろう。

2.Transfer Wise(トランスファーワイズ)評価額:約1,100億円($11B

ー事業の概要

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TransferWiseはフィンランド出身の2人の創業者が2010年に創業したフィンテックスタートアップだ。高いと言われる国際送金の手数料を下げることをミッションとしている。世界の国際送金の取扱高は年間で510兆ドルあり、レガシーな銀行は国際送金の手数料によって3,000億ドルの収入を得ている。TransferWiseは従来型の送金サービスの十分の一の手数料でサービスをユーザーに提供している。TransferWiseは既に毎月10億ドルの以上の送金を取り扱っているが、まだシェアとしては1%である。

ーTransferWiseで何ができるのか

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TransferWiseのサービスはユーザーの「国際送金」の目的である、「国家を超えた送金」や「異なる通貨での支払い」という機能を果たしながら、実際には「異なる2国間でニーズが合致するユーザー同士をマッチングする」という方法を取っている。

つまり「ユーザーA:日本在住でアメリカでドル建ての支払いがしたい」、「ユーザーB:アメリカ在住で日本で円建ての支払いがしたい」というユーザー同士をマッチングしてお互いに現地での支払いを肩代わりし合うのだ。この仕組みによって銀行を介する必要もなく、通貨の両替に掛かる手数料もない為、手数料が安くなるのだ。

TransferWiseはスマートフォンのアプリケーションも提供している。PayPalの口座との連携も可能だ。筆者もダウンロードしたがシンプルで使いやすい。

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画像:http://fintech-note.blogspot.jp/2015/02/andreessen-horowitztransferwise45b.html

 

ービジネスモデルの考察

TransferWiseには同じくシリコンバレーのボスと言われ、PayPalのファンダーで、現在はドナルド・トランプの政権移行チームにも参加しているピーター・ティールが早期に投資をしている。その後にヴァージン・グループのリチャード・ブランソンやシリコンバレーの最有力ベンチャー・キャピタルであるアンドリーセン・ホロウィッツが相次いで投資をしている。TransferWise「レガシーな金融ビジネスのプレイヤーを脅かすビジネスモデル」の王道だ。個人的にはレガシーで超非効率な銀行とか証券会社が大嫌いなので、この手のプレイヤーはどんどん増えて欲しいと思っている。

 

この国際送金のニーズは既に書いた数字によって、これまでも、そして現在も確かなニーズがある(あった)ことがわかる。これは「お金」の価値が国家によって”のみ”裏付けされる間は続くだろう。ビッドコインやその他の非中央集権的でその価値を広く保証できるようなお金が世界で広く流通するようになれば、TransferWiseのビジネスは不要になるが、その時はいつまで経っても来ないか、まだまだ時間が掛かるだろう。しかし、従来の国際送金手数料が「高い」と感じ、ユーザーがこのサービスを支持する事こそが、「レガシーなお金の仕組み」が時代とマッチしていないことの証拠だろう。

3.Funding Circle(ファンディングサークル)評価額:約1,000億円($1B

ー事業の概要

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Funding Circleはロンドン発のソーシャルレンディングを提供するフィンテックベンチャーである。ソーシャルレンディングとは何か。簡単に説明すると「オンラインで資金の貸し手と借り手をマッチングする仕組み」である。FundingCircle20,000を超える中小ビジネス事業者と50,000人を超える投資家をマッチングするローンのマケットプレースとも言える。投資家は個人投資家を中心に機関投資家や国家(UK)も含まれる。投資家に対しては平均7%/年のリターンを提供し、中小事業者にはデジタルアナリティクスを駆使した低コストでのリスク評価を実現することで適切な借入利率での資金調達機会を提供する。

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画像:Slideshare

ーFundingCircleで何ができるのか

FundingCircleで資金を借りたい事業者はFundingCircleのホームページからオンラインで申し込むことができる。資金需要やビジネスの内容を記入し送信することでFundingCircle側は審査(多くはAIによるビッグデータアナリティクスを活用し自動で)を行い、ローンの申込者に対して格付けを行う。下の図はFundingCircleでの格付けとその利率の概要だ。最高のA+の格付けがされるとその利率は7~8%程度、最低のEであれば利率は20%超となる。

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投資家はFundingCircleによってマーケットプレース上で提供された格付けとその他のビジネスに関する情報から投資判断を行う。マーケットプレース上で投資したいローンが見つかったあとは条件の「ビッド」を行い投資を希望する投資家同士で条件を競い合う。人気のある案件はこのビッドによって調整され融資の条件が良くなることもあるのだ。

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ービジネスモデルの考察

このビジネスモデルは「レガシーな銀行業への挑戦」というよりは、「レガシーな銀行の限界」を意味している感がある。個人的な感だが、フィンテックの勃興によって、日本の地方銀行の役割が間もなく終わりを迎えようとしている気配を感じている。

 

筆者は実は以前に中小企業の資金調達担当として、メガ・地方で複数の銀行を相手に借入交渉を行ったことがあるが、これがとにかく面倒で非効率だったのを覚えている。提出が必須な複数期の財務諸表は何故か印刷でしか受け取らなかったり(1期で数十頁になる)、担当者は高齢で最新のIT関連のビジネスモデルや市場動向を一切理解できないことさえあり(スマホを触った事がない行員も)、挙句の果てには、行内稟議の文章を代わりに考えたことさえもある。(愚痴っぽくなってきたが)やり取りは対面が中心で、次に電話、メールの利用は行内規則で制限されていたりもして、時代遅れが甚だしい(わずか3年前に某栃木の地方銀行ではITが関連する部門でパソコンが複数人で共通利用だった)。とにかく、全くスムーズではなく、審査に日数も掛かる(少なくとも10分の入力で数日の審査というレベルではない)。あのような旧態依然の体制では、中小事業者の細かな資金ニーズに答えることは絶対できないだろう。

 

この図はFundingCircleでの貸し倒れの可能性を格付けごとに表示している。

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人がほとんど介入しない与信審査で、貸し倒れのリスクがトータルで1.7%しかないのだ。日本の銀行での不良債権化率はリーマンショックがあった2008年に1.5%程度まで上がり、現在は1%以下に更に減少している。(これは融資条件を更に厳しくしていることもある)原因はなんにせよ、審査能力に大きな差はもうないしリスクを取って中小事業者に資金を回している新しいプレイヤーの方が健全だろう。

 

日本のフィンテック業界でもクラウド会計ソフトを提供するfreee社が北國銀行と組んで、オンライン上の会計データとAPIを活用した分析技術により、審査の手間や時間を短縮する取り組みを行っている。この流れをどんどん加速させて不優秀な銀行の営業マンや仕事が遅い融資審査担当者が失業するレベルまで追い込んで欲しいと心から願ってしまった自分がいる。少なくとも銀行の営業マンの役割が変わることは間違いないだろう。

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画像:ITPro

さて、このFundingCircleのようなオンラインでの債権のマーケットプレースが成熟し、会計処理や請求書発行や、その決済のほとんどがオンラインで行われるようになれば、更なるビジネスの機会も生まれるだろう。例えば、A社からB社に請求書が発行されていて、B社がオンライン上で期日通りに支払う意志を表明(保証)しているValidな請求書を個人投資家Cさんが割り引いて購入する」というような事もできるようになるだろう。その他にも、IoT技術の普及で在庫管理がリアルタイムに高度にデジタル化されれば担保にできる資産の可視化も進み、借入のチャンスが増えることだろう。全ての会計情報がデジタルになれば、審査自体を「常時自動化」することもできる。借り手と貸し手は緊張感をより持つし、「金利は常時変動する」ような契約を結ぶ可能性も出てくるだろう。この状態が実現できれば、借り手は常に「より良い条件での借り換え」を求めることができるし、貸し手も監視コストが下がれば借り手に対してアドバイス(要求)をしやすくなる。

 

このFundingCircleと同様のビジネスモデルを展開するフィンテックプレイヤーは少なくない。「Prosper Marketplace」や「Lending Club」、「Kabbage」、「OnDeck」などは多少のビジネスモデルの差異はありながらも競合している。

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画像:SlideShare

 

※フォーブスで世界の有力Fintech50社が取り上げられた号です。

ForbesJapan (フォーブスジャパン) 2016年 04月号 [雑誌]

ForbesJapan (フォーブスジャパン) 2016年 04月号 [雑誌]

 

 

 

以上。フィンテックについては過去にも記事を書いているので是非御覧ください。

blog.tokoproject.com