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TOKO PROJECT

シリコンバレー発のテックニュースを中心に発信しています。時々、食べ物や健康に関する情報を発信しています。トライアスロン挑戦中。

今、注目のインドのテック系ベンチャー企業を探る!シリコンバレーに負けない13億人市場のテクノロジーの行方を探る。

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今日はインドです。ソフトバンクのニケシュアローラが突然の退任を発表してから1週間経ち、彼の出身でもありソフトバンク・キャピタルの投資戦略の中心でもあったインドのスタートアップにとても興味を持ちました。モデルとしてはやはり先進国で成功したモデルの踏襲が多いですが、独自の課題にアプローチするような、モデルのローカライズも見られ面白かったです。市場の魅力は言わずもがなの人口・経済成長・テックですね。中国と並び、アメリカの4倍の人口はやはり巨大で魅力的ですね。今回は5つの企業を紹介します。

1.Delhivery(デリバリー)

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http:// http://www.delhivery.com/index.html

ECのモジュールを提供しているスタートアップです。元々は小さなロジスティクス企業として2011年にスタートしたがテクノロジー企業に拡大。オンラインショップ構築の為の販売管理システムや分析ツールを、ロジスティクスサービスと合わせて総合的に提供している。その為にユーザーである小売企業の利益最大化フルITでサポートできる。Delhiveryは現在インドの16の物流センター、350の都市で展開し、1日に200,000品もの出荷に対応している。2011年に150人だった社員は現在15,000人まで増えている。この間にインドのEC市場規模は1.54億USドルから8.4億USドルまで成長している。5年で5倍以上の成長だ。未だに成長余地は大きく、現在で約3,000万〜4,000万人がネットショッピングを利用しており、13億人の人口に対してまだ数%である。一方インドの携帯電話契約数は8億人を超える。スマートフォンの性能向上とネットワーク整備は当然だが、高度に整ったECを実現する為には洗練された物流が欠かせない。アマゾンが限られた一部の国でしか展開しない理由はここにある。Delhiveryはこのカギとなる物流ネットワークに力を入れている。それはラストワンマイルの物流を担ってくれるパートナーを増やすことだ。インドはEC企業が勃興しているが、それを支える役割を担う企業だ。

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2.Flipkart (フリップカート)

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http://www.flipkart.com/

flipkartの名前を聞いた事がある人はいるだろう。インドのアマゾンのような企業だ。書籍から家電品まで70以上のカテゴリーの商品を2,000万品以上、幅広く膨大に取り扱っている。登録者は3,000万人弱。この数字はDelhiveryの説明に出てきたインドのEC利用人口とほぼイコールだ。2007年に創業したこの企業はもはやベンチャーというには大きすぎる規模であろう。これまでに12の資金調達を行い、3億USドル以上を調達している。彼らがAmazonと似ているのは、元Amazon従業員である創業者に影響を受けている。Flipkartは一定額の注文で送料が無料になる。また返品の簡単さなどが評価を受けている。配送状況のトラッキングも可能で、配送トラブルも少ない事が評判。Amazonプライムのように追加料金(メンバーシップではない)で翌日配送などの時短も可能だ。Amazonをよく利用する私にとっては、ここまで聞いていて特に目立つ特徴はない。だから素晴らしいのかもしれない。

3.Zomato

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https://www.zomato.com/ncr

その名前から食べ物を連想したのなら正解である。元々は食べログやYelpのようなレストラン情報の提供サービスであったZomato。インドでスタートし、現在は23の国で100万店以上のレストラン、1,000万件以上のレビューが掲載されている。他のサイトと一線を隠すのは、そのソーシャル性と情報提供者であるユーザーの書き込み意欲を増進させう設計であろう。ユーザーにはInstagramやFacebookのようにマイページが与えられ、多くの質の高い情報を提供したユーザーには"foodie"の称号が与えられる。日本語では"グルメな人"的な感じだろう。このZomato下の動画にも登場するがデリバリーサービスを始めている。提携しているのはあのUberだ。また、未対応地域でも日本の出前館のように自ら宅配を行っているレストランはZomato上で注文を受けられるようになった。インドではなくドバイ限定だがキャッシュレスの決済サービスを開始するなど、その裾野を広げている。Zomatoも2010年に創業後6年の企業だからインドのスタートアップの成長スピードは恐ろしい。8回の資金調達でUS$223Mを調達している。

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4.Docsapp

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https://www.docsapp.in/index.html

2013年に誕生した医療系ベンチャーだ。その名前からドキュメントを連想したがDoctorの方である。スマホからドクターに簡単にチャットで相談ができるサービスです。シードラウンドは日本のRebright Partnersがリードインベスターになっている。2016年4月にUS$1.2Mを調達した。チャット上で画像の送信による診断や、7つの都市では薬のデリバリーにも対応している。すでに500のドクターと提携し80,000人のユーザーを抱えているというのだから驚きである。インドの医療には格差が存在する。公立病院の質は良いとはいえず、また私立の信頼がおける病院へのアクセスは限られているし偽の薬が出まわるなんてこともあるそうだ。DocsappのCEO曰く、70%の診察はチャットで遠隔で済ませることが可能だそうだ。これは、日本の医療でも言えることだろう。医者のリソースには限りがあり、必要な患者にアクセスが提供され、より多くのリソースが使われる。ドクターは正当に患者に評価され差がついていく。インドでなくても、これが理想だと思う。

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5.GreyOrange

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http://www.greyorange.com

greyorangeは物流倉庫向けにソフト、ハード両面からソリューションを提供するベンチャーです。2011年の創業。Flipkart, Amazon, JabongなどのインドのECプレイヤー達が顧客です。250人の従業員、香港とシンガポールにも拠点を持っています。主なプロダクトは物流ロボットのbutlerと倉庫管理システムとハードのsorter。今回はbutlerを紹介します。

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商品が出荷されるとbutlerがピックしに来ます。相互に連動した倉庫内のbutlerは出荷や倉庫利用の最適化の為に24時間動き続けます。機械学習が応用されており、過去や新しいオーダーから学び自ら効率化を図るそうです。人件費を減らすのではなく、もう人間だと対応できない複雑さと物量なんですね。amazonは同種の倉庫用ロボットkivaが世界の13の物流センターで30,000台稼働している事を先日発表しましたが、amazonが外販するかによっては完全に競合しますね。

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2015年にシリーズBでUS$30mを調達しています。共同創業者の2人、Samay KohliとAkash GuptaはForbes 30 Under 30のwinnersです。

 

5.HackerEarth(ハッカーアース)

HackerEarth - Programming challenges and Developer jobs

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Hacker Earthが取り組むことは非常にユニークです。数年前からコンピューターエンジニアリングの人材が不足している事は日本でも言われていますが、新たに採用を試みる企業が苦労するのは"エンジニアのスキル評価"だと言われています。IT産業が盛んなインドはITエンジニアが多く、これを整理再構築する為のプラットフォームが求められていたそうで、ユニークな形で解決策を提供しているのがこのHackerEarthです。

HackerEarthは職を探すエンジニアとエンジニアを求める企業の両サイドにサービスを提供します。エンジニアには、自らのスキルを証明し職を得るためのプラットフォームを、企業にはエンジニアとのマッチングや採用プロセス(評価や面談)をサポートします。

 

エンジニアのスキル評価の手法は、オンライン上で与えられた課題をクリアする一般的なモノから、オンライン上でプログラミングスキルを競い合い報奨を与えるようなモノ(Hackathonと呼ばれる)まで用意されています。特にユニークなのは、エンジニアのGithub(過去作品のポートフォリオのような)とHackerEarthを繋げることによってアルゴリズムにより自動で評価が行われる仕組みです。

エンジニアへのインセンティブの付与により参加を促すだけでなく、評価の自動化などにより、採用したい企業にとって、サンプル数の増加による評価の信頼性向上だけでなく、自らの企業のニーズに合致したエンジニアを探しだせる可能性が高くなります。HackerEarthは2012年に創業し2014年に50万US$の調達を行っています。

 

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6.Practo(プラクト)

Find Doctors, Diagnostic Labs, Gyms, Spas & Salons | Practo

 

プラクトも前回ご紹介したDocsAppと同じく医療の問題解決に取り組むインドのスタートアップです。オンラインでドクターのアポイントを取れる点はよくあるサービスですが、一方でドクターとクリニックの運営を効率化できる点を強調しているサービスです。本来医療行為に集中すべきなのに、請求書の発行や予約の管理などの付随業務によってリソースを取られてしまう。予約の管理から患者へのリマインド、カルテの管理から請求書の発行までの一連の処理までをオンラインで一気通貫で対応出来ることによりドクターとクリニックの大きな悩みを解決します。

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現在はクリニックだけでなく、ジムや美容室、スパなどの予約もできるようです。

Practoは2008年の創業、3回のラウンドで124MUS$を調達しています、直近のラウンドではテンセントから90MUS$を調達しています。

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7.LazyLad(レイジーラド)

LazyLadはN-commerce(NはNeighbourhood=近隣)という少し聞き馴染みのないモデルを提唱してる。要するに近所の普段買い物をする小売店からオンラインで配達をオーダーできるのだ。カテゴリーは6つに限定されている。パン・菓子類、花屋、青果、日用雑貨、精肉と魚介類、文具である。中抜き業者を排除し小売業者の利益を高めつつ、ユーザーにもメリットを提供する。これは日本でも同じようなサービスを展開する企業が出てきて欲しい。AmazonPrimeNowが全国で展開されればいいのだが、今の拡大ペースだと当分先になりそうだ。昨年7月にシードラウンドで50MUS$の調達を行っており、日本人の菅下清廣氏も参加している。

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