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ヴィーガン(完全菜食主義)のアスリート。ベジタリアン食がもたらす驚異的な回復力とスポーツパフォーマンス。畜産業の環境破壊問題とビーガンの貢献。

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aetherforce.com

ヴィーガン(完全な菜食主義者)って知っていますか?

ライフスタイルや信条として、「牛・豚・鶏や魚などの肉や、卵やミルクなどの乳製品に至るまで、一切摂取しない食生活をする、いわゆるヴィーガン(完全菜食主義者)※1(最も厳格な部類の菜食主義者)のトップアスリートがいる」という話を聞きました。普段から、グルテンフリーなどの健康的な食生活やランニング、トライアスロンなどにアンテナが立っているので、とても気になって調べてみることにしました。

※1 広義にはベジタリアンのことを言う。ベジタリアンにはその食選択や信条から様々なスタイルが存在する。ちなみにビーガン(Vegan)という言葉は、野菜に由来するのではなくラテン語で「生き生きとした」という言葉に起因している。

 

ヴィーガンについて調べてみると、日本ではビーガンやベジタリアンであることを公表しているスポーツ選手は発見できないほど少なかったです。芸能人では市川海老蔵さんなどがベジタリアンであることを公言していました。

 

実は以前、『名古屋グランパス 勝利の食道』という本で、Jリーグのチームで栄養士を務めた間宮さんの本を読みましたが、ベジタリアン(菜食主義)の選手は登場しなかったと記憶しています。

プロクラブを支える食ストーリー 名古屋グランパス 勝利の食堂

プロクラブを支える食ストーリー 名古屋グランパス 勝利の食堂

 

 この本は、僕に健康と食事について考えるキッカケを与えてくれた本です。

一方、海外では、UFC(総合格闘技)やボクシングのファイターや、ボディビルダーなどヴィーガンの活躍は多岐に渡りました。個人的に、大豆などから植物性タンパク質を十分に摂取できることは知っていたが、動物性のタンパク質なしで、ここまでの強靭で美しい体が作れ、トップレベルで戦えるというのは衝撃的でした。

 

※後日、こんな画像を見つけました。。。

 

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まさに「常識は疑え」。「菜食主義では必要な栄養が不足する」、「ベジタリアンが原因で体調を崩した人がいる」などの偏見はありふれていて、実は僕もその一人でした。

 

筋肉やカラダを構成する為に必要なのはたんぱく質ではなくアミノ酸。我々は、体内で合成されていない必須アミノ酸を意識的に摂取する必要があり、これはすべて植物に存在しているのです。

植物由来のベジタリアン食しか食べないアスリート。トライアスロンも。

competitorgroup.com

 

そして、最もわかりやすく、これらの通説を否定するのにわかりやすい例を発見しました。それは、アイアンマン(Ironman)ウルトラマンと言われるトライアスロン(水泳、自転車、マラソンの3種目から構成)の選手たちや、ウルトラマラソン(フルマラソンより更に長いレース)で活躍するマラソンの選手達の存在である。一体、どれ位の距離なのか。それは、3,000km以上のマラソンの走破にチャレンジしたり、70.3マイル(約113km)のアイアンマンを5日連続で達成したりと、耐久レース(Endurance Race)で活躍した(する)ヴィーガンのアスリートたちの存在でした。

 

当然に強靭な肉体だけでなく、効率的なエネルギー補給と回復ができる体と食選択が必要で、ヴィーガンやベジタリアン食のメリットを知らない人は、「とてもじゃないが不可能だ」と考える人もいるでしょう。

トライアスリート・実業家:ブレンダン・ブレイザー(Brendan Brazier)

www.thirdculture.cc

ブレンダン・ブレイザー(以下、ブレンダン)はアイアンマンレースなど、トライアスロンで活躍したカナダ人のアスリートである。現在は執筆活動やプラントベース(菜食)の食事を摂る人をサポートする食品やサプリメントを提供するVega(ベガ)社をパートナーと共に営んでいる。※ベガ社のプロダクトです。いつか試したい。

 

彼の著書『Trive』は彼のプラントベースの食事のメカニズムやレシピを明かしベストセラーになっています。(Amazonで購入しました。日本でも購入できます。前編、英語ですが良書です)。

Thrive: The Vegan Nutrition Guide to Optimal Performance in Sports and Life

Thrive: The Vegan Nutrition Guide to Optimal Performance in Sports and Life

 

 

ここからは彼のヴィーガンに転校するまでのトランジッションのストーリーです。 

彼がベジタリアンになったのは(彼は後により厳しいヴィーガンに変わっている)16歳の頃です。走る事に喜びを覚え、ランナーとして陸上競技に没頭していた少年時代の彼は、アスリートとして大成する為には「回復」が重要な要素で、回復を構成する80%の要素は栄養の摂取により導かれることに気づきました。

以後、彼は様々な食事法(高タンパク、高炭水化物、その逆など)を試し、その中で菜食が最も回復に有効であることを発見し、以後、彼のアスリートのキャリアで実践をしているそうです。この意味で、彼は倫理的な理由で菜食主義になったのではないことを認めています。

彼の菜食主義の根底にあるのはストレス回復です。

彼は、「多くのトップアスリートの練習メニューは大きく変わらず、差別化の余地が見られないが、食事には大きな差別化余地があること」に気づきました。回復はアスリートにとって最も重要なテーマであるのに、その中で食事は過小評価されいていたのです。早く回復すればより多くトレーニングすることができ、超長距離で戦う選手はレース中の回復もカギなのです

 

彼のThriveダイエット(食事法)は菜食をベースにした食材の選択と、それに加えて食材を調理せずに生(ローフード)で食する事により、高温度調理による酸化物質の摂取を防ぐ(アルカリ化)食事です。

 

これにより精神・肉体両方に掛かるストレスを大幅に軽減することができ、運動後の回復能力を大幅に高める事ができるのだそうです。これは消化のプロセスを考えることで合点がいきます。動物性のたんぱく質を多く含む食事をする肉食は消化に悪いのです。彼は、この消化に掛かる負荷が、回復にもたらす影響を強調しています。

消化とストレスの関連性 食べ物のエネルギーを総合的に考える

まずは消化に要するエネルギーである。人間は摂取した食物を消化吸収することにより栄養素を取り込むが、この代謝プロセスにおいてもエネルギーを使うことはあまり意識されていません。つまり"エネルギーを摂取する為に量やカロリーを増やしても、消化に使うカロリーが大きければ狙った効果は得られない"ということです。

この意味で彼は”より消化に良い物”からエネルギーを得ることを推奨し、ネット・ゲイン(NET GAIN)という考え方を問いています。つまり差引後の価値です。

次に消化が睡眠にもたらす影響も見逃せません。消化は体にストレスを掛け、ストレスはコルチゾールという副腎皮質ホルモンを分泌させ、この時体内で活性酸素を出します。この、コルチゾールが分泌されている状態で、人間の睡眠の質は低下するそうです。アスリートはトレーニングの負荷によってもコルチゾールが高いので、消化による睡眠への悪影響をより意識して避けるべきで、この意味でも菜食や出来る限り生に近い状態で食べることが良いというのが彼の主張である。

菜食のメリットを活かせるのはアスリートだけではない

彼のようなプロフェッショナルなトライアスリートは週に30時間以上のトレーニングを行いますが、このメカニズムを理解すると、私のような特別ではない者でも、完全なベジタリアンへの移行や菜食を中心にするメリットを想像することができました。体に入れるもの、体に入れるタイミングなど参考になることが多々あります。

 

また、彼は菜食主義者が頻繁に投げかけられる、「栄養の不足や偏りの恐れ」に対しては、「植物性の食品のみで十分に摂取することが可能であり、そのカギは多様な種類を十分な量に食べること」だとしている。

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更にこれまで(当時は)注目されてこなかったマカなどのスーパーフード的な食材が非常に助けになると語っている。昨今のスーパーフードのブームで登場した抗酸化物質やオメガ3などを豊富に含んだ食材を、2000年ごろから摂り入れている。スピルリナヘンプシードなどはタンパク質が優秀だ。

※私は、今ヘンプシードを食事に採り入れています。ヘンプシードは基本オーガニックです。これを常食しています。

Hemp Foods Japan 「麻の実ナッツ (ヘンプシードナッツ) 250g

Hemp Foods Japan 「麻の実ナッツ (ヘンプシードナッツ) 250g

 

 

また、アスリートとして、科学的に裏付けされたメリットにより、ヴィーガンになったブレンダンであるが、現在は倫理感や社会的な使命感を持つようになっている。

特に、肉食を実現するための非効率な生産プロセスは改められるべきだとしている。

 

例えば、北アメリカで生産される穀物の70%は人間では家畜によって消費されることや、家畜が生み出す膨大な温室効果ガス等である。これは家畜の問題を描いた映画Cowspiracy(牛の陰謀)が詳しい。日本語ではNetflixで日本語字幕で視聴可能です。

www.youtube.com

 

彼のインタビュー動画やTEDのスピーチを多く拝聴したが、その非常にロジカルで落ち着きがある語りは、知ろうとする者を安心させる力がありました。

 

<彼のアスリートとしての功績>
2003 - 1st 50km Canadian Ultra Marathon Championships.
2002 - 8th Iron man Utah.
2001 - 11th Iron man Canada.
2001 - 3rd Canadian ½ Iron man Championships.
1998 - 2nd Royal Victoria Marathon.

 

<彼のその他の著作>

Thrive Energy Cookbook: 150 Plant-Based Whole Food Recipes

Thrive Energy Cookbook: 150 Plant-Based Whole Food Recipes

 

  

ウルトラマンレース(アイアンマンの4倍)で活躍したリッチー・ロール(Rich Roll)

※ヴィーガンになる前のリッチー・ロール

www.angelagayehorn.com

 ※ヴィーガンになった後のリッチー・ロール

www.achim-achilles.de

リッチー・ロール(以下リッチー)もブレンダンと同じくトライアスリートです。そんな彼は写真からは想像できないですが、40歳まで美しい肉体を持つアスリートからだけでなく健康さえ縁遠い人生を送っていたそうで、31歳の時にはドラッグ中毒でリハビリ施設に入居し、現在よりも20kg以上も肥満だったそうです。

 

そんな彼は40歳の誕生日を迎える前日に、「このままではいけない」と発起し、ヴィーガンに転向し、菜食主義の食事をはじめました。その後、現在まで一切の動物性食品を摂取してないそうです。この意味で彼もブレンダンと同じく、ダイエタリー(食事)なヴィーガンとしてスタートしています。

 

その後のリッチーの肉体、、それ以上に、人生そのものの変化は著しく、体重は軽くなり、急激に改善する自分の体の限界を試したくなったリッチーは、アイアンマンレースに挑戦。その後、その4倍の距離に挑むウルトラマンレースをヴィーガンとして初めてクリアした。

 

驚くことに彼は若いころに水泳の競技経験があったものの、ウルトラマンに挑戦する2年前までトライアスロンレースに必要な自転車さえも所有していなかったのです。

ブレンダは元々アスリートであったが、リッチーはヴィーガンという菜食主義の持つ力が彼をトップアスリートに導いたと言っても過言ではないかもしれません。彼も書籍の中で食事法を説明しています。この時点で私の中にあった「菜食は栄養が・・・」という疑心は一切なくなっています。栄養が足りない人がウルトラマラレースなんて走破できません。

彼は2009年に最も健康的な世界の25人の男性に選ばれ、2010年にはハワイの5つの異なる島で行われる5つのアイアンマンレース(スイム3.9km・バイク180km・ラン42.2kmの総距離約226km)を一週間で走破するという"EPIC5"を達成しています。彼はトレーニングと菜食を初めて"わずか数年の間に"、他のアスリートが長年のトレーニングをしても実現が難しいことを成し遂げたのです。彼は2008年、2009年にウルトラマンレースにも出場している。これは3日間に渡って320マイル(512km)に挑戦するトライスロンだ。 

家族と食事を作るリッチー

www.thebharanieffect.com

 

リッチー・ロールも、ブレンダンと同じく、菜食がもたらす回復力に注目している。彼の驚異的なアスリートとしての成長はこの回復力が大きく寄与していると考えられますね。

 

彼は現在、より厳格なヴィーガンとしてその普及活動に精を出していて、彼のベストセラー書籍である、"Finding Ultra"などの執筆活動に留まらず、ポッドキャストやアプリでの情報発信も行っている。また驚くことに彼は弁護士でもあるんです。

※彼のポッドキャスト、本当に面白いですよ。

The Rich Roll Podcast by Rich Roll on iTunes

 

科学的な主張 肉食が地球環境にもたらす悪影響を説く

リッチーは「自分がヴィーガンになる10の理由」を自身のホームページに掲載している。これが非常に印象的でした。

彼は科学的な理由のみ列挙し、現在のアメリカの食事やその生産プロセスを"時代遅れ"であると述べています。

“Our planetary problems are perilous and profound. The U.S. is the most prosperous nation on Earth, yet we have never been more unhealthy. The standard American diet isn’t just making us sick. And it isn’t just inefficient — it’s outdated tech.”
訳:この惑星の問題は深刻で危険である。アメリカは地球上で最も反映した国家であるにも関わらず、これ以上なく不健康である。標準的なアメリカ人の食事は病気をもたらすだけでなく、また不十分なだけでなく、時代遅れなのだ。出典:10 Reasons To Consider A Plant-Based Diet | Rich Roll

1. It prevents (and can reverse) chronic disease.:慢性的な病気を予防できる
2. It conserves water.:水資源を守る
3. It cuts greenhouse gas emissions:温室効果ガスを削減する
4. It conserves land.:土地を有効活用できる
5. It helps prevent species extinction.:種の絶滅を防ぐ
6. It reduces waste pollution.:廃棄物による汚染を減らす
7. It helps prevent marine life destruction.:海洋環境の破壊を防ぐ
8. It slows deforestation.:森林の減少を遅らせる
9. It helps alleviate world hunger.:世界の飢餓を抑止する
10. It boosts athletic performance.:運動能力を爆発的に向上させる

出典:10 Reasons To Consider A Plant-Based Diet | Rich Roll

 

それぞれの理由や根拠は彼のホームページに詳しい記述があるのでそちらに譲りますが、彼は既に公表されている公式な信頼できるデータを用いて、人類が肉を食べるということを実現するためにどれだけの無駄が発生し、犠牲が払われているかを説明している。特に印象に残ったのは、9番目の It helps alleviate world hunger.:世界の飢餓を抑止するという理由です。

"We are currently growing enough food to feed 10 billion people, and the U.S. alone could feed 800 million people with the grain that livestock eat. Hunger isn’t a scarcity issue, it’s an allocation and distribution issue."
訳:現在我々は100億人に必要な食べ物を生産していて(これは家畜を育てる為に必要な穀物なども含めて)、アメリカ単独でも8億人を生かすだけの穀物量を生産し家畜に与えている。飢餓とは不足による問題ではなく、配置や分配の問題なのである。

 出典:10 Reasons To Consider A Plant-Based Diet | Rich Roll

 

詳しくはコチラに説明されています。

blog.govegan.tokyo

Finding Ultra: Rejecting Middle Age, Becoming One of the World's Fittest Men, and Discovering Myself

Finding Ultra: Rejecting Middle Age, Becoming One of the World's Fittest Men, and Discovering Myself

 

 

これは、多くの格差問題を主張する経済学者が主張する貧困解決の方法と似ているが、人間は肉食を止めれば、すでに全人類が食べることができる生産能力を所持していることには驚きました。畜産の問題は、WHOなどが公式にその影響の存在を発表しています。リンク:United Nations News Centre - Rearing cattle produces more greenhouse gases than driving cars, UN report warns

 

自分がどこまで実践できるかはともかく、勉強になった調べ物でした。

ベジタリアンや菜食について日本語で学ぶ時にオススメ。

ときどきベジタリアン食のすすめ ビーガン、マクロビオテックから総合栄養学まで

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