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2020年の市場投入?自動運転車がもうすぐ来る。未来の車社会の課題やインパクトを勝手に予想してみた。

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自動運転車はまもなく実現する?

自動車メーカー各社が自動運転車への動きを加速しています。2020年に市場投入を目指す日産はその具体的なロードマップを発表しました。グーグルは"セルフドライビングカープロジェクトで"既に1.5万キロ以上のテスト走行を行っています。痛ましい死亡事故がおきてしまいましたが、電気自動車メーカーのテスラは"AutoPilot"という自動運転をベータ版ながら製品に搭載しています。トヨタ自動車は"Fun To Drive"と逆の方針を掲げていましたが、今年の1月頃に自動運転車に関する開発方針の転換が報じられ、メディアが裏で進められていた研究や、その本気度を取り上げました。

 

最近ではモータリゼーション2.0と呼ばれ、人間が運転しない未来の車の実現は、破壊的なインパクトをもたらすと言われています。イーロン・マスクは以下のように語っています。

 

"Cars are dangerous because humans drive them"

「自動車は危険だ、なぜなら人間が運転するからだ」

 

自動車について僕が個人的に思うことは、"安全面に限らず、どれだけ自動車に関わるテクノロジーが進化しても、人間の関与による制限が大きい"と思ってきました。ロードトリップに出かけた時も、夜行バスの事故のニュースを見た時も、疲弊する長距離トラックドライバーを高速のサービスエリアで見た時も、"人間の運動能力や集中力、体力のリミットが関係しなくなったら"、と思うことがありました。その未来があと少しのところまで来ています。

 

そんな、無人運転が可能になる未来の車社会について、気になっていた事をいくつも思い出したので、調べてみました。

自動運転の安全性とテスラの死亡事故について

そんな今年になって起きてしまったのがテスラの死亡事故です。テスラが提供するオートパイロットモードが起動中に初めて起きた死亡事故です。報じられているところによると、"白いトレイラーが横切った際に、その白い色を空と光の色と誤認し、停止しなかったことが原因"と言われています。

事故が起きたのは、5月7日のフロリダ州でのことだった。調査を始めた米高速道路交通安全局(NHTSA)によると、テスラのセダン型「2015モデルS」という車に一人で乗っていた男性が高速道路を走行していたところ、前方を直角に横切る形でトレーラーが左折してきた。

(フロンティア2.0)自動走行中の衝突、テスラの死亡事故が示したもの:朝日新聞デジタル

 

交通事故はとても痛ましい。アメリカでは年間120万件以上の人身事故が起きています。この死亡事故がテスラのオートパイロットモードで初めての例と聞いた時に、これまでにどれだけの距離を走ったのか気になりました。テスラの広報は反論が非常に早いので、その点がやはり報じれられていました。単純に数字だけで言えば"人間が運転する場合よりも発生可能性が低い"と言える水準まで来ているようです。

今回発生した死亡事故に関してテスラは、累計1億3000万マイル(約2億キロメートル)のオートパイロットモード運転で初めて発生した死亡事故であると明らかにしています。アメリカ国内での死亡事故が1件発生するまでの平均走行距離は9400万マイル(約1億5000万キロメートル)、世界平均では6000万マイル(約9600万メートル)であることを考えると、オートパイロットモードがただちに危険と言うことはできません。しかし、死亡事故が起こったことで、自動運転カーの開発のあり方などについての議論が巻き起こる可能性はありそうです。

テスラ・モデルSの「オートパイロットモード」で初めての死亡事故が発生 - GIGAZINE

 

自動運転車の仕組みは高度なセンシング技術と機械学習です。サンプルが多くなればなるほど、その精度向上が加速します。しかし、闇雲に消費者の安全と引き換えに公道で実験が行われる事は好ましくないので、"テスト走行中であることが明らかな、視認性があるデザインにする""ベータで製品投入する場合は販売時にドライバーへの注意喚起を義務化する"など対策が必要ですね。摩擦はあるでしょうが、自動運転社会のメリットを社会に共有した上でテストを広範囲で(いろんな環境で)加速した方がいいと個人的には思っています。

自動運転時の交通事故の責任の帰属先 AIはドライバーなのか?

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自動運転車のAIが「ドライバー」であるとした米国運輸省の回答の意味(前編)「NHTSAの発表は無人運転車に関するFMVSSの解釈を示しただけ」とは - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

 

今年の3月頃報じられたニュースで、"自動車法規の中でAI(この場合、自動運転システムを指す)は運転手になり得る"ということが報じられました。

 

この記事は詳しい説明が行われています。"規定の中の複数の項目の解釈において、自動運転システムを運転手として解釈できるが、直ちに自動運転車の公道走行を容認するものではない"ということです。

 

これは、自動運転車の議論の中で最もよく語られる、"事故の責任は誰に帰属するのか"という問題に関連します。この内容は他で多く語られているので割愛するが、帰属主体となり得るのは基本的に運転手(運転に介入できる場合のみ)、搭乗者、自動車メーカーのいずれかになる。運転に介入できる場合というのは、"人間の搭乗者がハンドル操作やブレーキをする余地が残されているか"どうかだ。前述のWirelessWireの記事で紹介されている内容も、Googleが目指す方向性が"最も安全なのは人間の介入余地の排除"であるが故に、現行法の中でその方向性がどう考えられるのか、確認が必要になった事に端を発している。

参考:

完全自動運転自動車の事故と法的責任について

グーグルの自動運転車と法的責任 - WSJ

 

この事故の責任の帰属先については、他の人工知能に関するルール作りと同じく、結論が出ていない問題だ。しかし、市場に投入されるにはルールが一定以上の水準で整備されているが前提である。個人的には「いずれにも直接的な責任を負わせることはできないのではないか」と考えている。運転手には整備の責任は発生するが、運転をしていないのだから、事故の責任を負わせる事はできないし、自動車メーカーが各地で発生する可能性のある大小様々な規模の事故の責任を抱えることはリスクが大きすぎて難しく普及を難しくするかコストに転嫁される。また、よく語られる人工知能の議論として、"開発するエンジニア自身も理解できないレベルの領域が生じてしまう"とのことで、これも難しい。もちろん人工知能に保証を求めることも無理だ。後にも、保険制度で生じた損害をカバーするしかないと考えている。

自動運転車の国、地域での交通ルールギャップの問題

www.independent.co.uk

 

これはアメリカの記事を読んでいて、よく語られている問題であった。多くの法律がアメリカでは州ごとに異なるように、交通法規もアメリカでは州ごとに異なる場合がある。自動運転車に関するルールもこの事が大きな障壁になる可能性があるそうだ。自動運転車の開発に取り組むメーカーがロビー対策に長けた人間に高級を払い雇っているのはこれが理由だ。ルールを不利にしないだけでなく、出来る限り統一させたい思惑がある。地域ごとのルールの相違は自動運転車が下す判断を難しくするだけでなく、自動運転がもたらすメリットを大きく損なわせる可能性がある。例えば(ないとは思うが)州を跨いで自動運転で通勤したいドライバーが、州を跨いだら自分で運転をしないといけないなどだ。アメリカは行政も一体となり自動運転を強力に推進しようとしている為この手の問題は解消される期待があるが、国家間のルールのギャップは避けられない問題として存在しそうだ。国を跨いで運転する可能性がある大きな市場としてEUが挙げられるが、イギリスの離脱を端に統一市場が崩れるとこの件を難しくさせるのではないかと思っています。

自動運転車で収集される搭乗データとプライバシーの問題

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これもよく語られる問題です。"移動に関して自動運転システムが収集する情報をどう取り扱うか"、これが問題になる理由はそのプライバシー性の高さからです。各メーカーが発表している未来の車のコンセプトを見ていると、自動運転が実現された社会での車の役割は単純な移動に留まりません。運転から開放されたドライバーは車内での時間をメディアコンテンツの消費からゲーム、睡眠、食事など様々な活動を行い、車とそれを制御するシステムはそれらの体験を統合的に提供するプラットフォームになり得ます。

 

blog.tokoproject.com

 

人工知能はパーソナルアシスタント的にこれらの移動・活動による情報を収集し、ベストな判断や提案を期待されますが、その情報の利用ルール(特に事故や事件が生じた時の公的機関への提供や広告などの商業的利用)やデータセキュリティの問題が存在します。特にデータセキュリティの問題はIT人材が不足すると言われる日本企業では深刻な気がしています。

自動運転車、つまり人工知能が運転する時の倫理判断の問題

revandy.org

 

これは、運転時に自動運転車が下す数多の判断の中で最も悩ましい問題です。こちらも日本語の解説があったので割愛しますが、簡単に説明すると、"事故が起きそうなシチュエーションで、右に避けると搭乗者が犠牲に、左に避けると10人が犠牲になるシチュエーションで、自動運転車はどのように判断を下すのか"というようなものです。

「自分は犠牲になりたくない」自動運転車の抱える倫理ジレンマ、意見調査でも明らかに|ギズモード・ジャパン

 

これについては、"そもそも倫理レベルまで制御できるのか"という問題や"メーカーがどのような倫理感を持つべきか"という問題まで存在します。実はこれが1番乗り越えるのがハードな問題な気がします。

自動運転が社会にインパクトを与えそうな領域

たくさんあると思うのですが、思いつく限り書き出してみました。少しずつ勝手に語ります。

タクシー

自動運転が可能になった地域では大多数のドライバーが不要になり、残ったドライバーも役割が大きく変わり、介助やガイドなどその他役務の提供など付加価値の提供にシフトする気がします。電気自動車化、ドライーバーレスで料金も大きく下がり、多くの有識者が語るように、広告モデルの完全無料タクシーが生まれてもおかしくない気がします。堀江貴文さんは自動車の価格がスマホ並の5〜10万円ぐらいになってもおかしくないと発言していますが、そうなれば無料化は可能ですね。

自動車ディーラー

タクシーの話の延長で語ります。ヘッドマウントディスプレイやドローンがスマホの普及により低価格化したのと同じ流れが来る可能性があります。ソフトウェアで制御でき自律して走行する電気自動車であれば、"メンテナンスが必要になりそうな時は勝手にメンテンス拠点まで走っていく""オンラインで注文して納車時は注文者の自宅まで走っていく"みたいな事も可能なので販売・整備拠点の確保という面で大きく削減できます。テスラは既にディーラーがなく直販のみで、メンテンスもOTAで実現している面が多いらしいです。アップルのオンラインストアでiPhoneを買うのと同じ感覚で、車を買う時代が来るかもしれません。

物流

これもドローンと併せて"無人技術"により大きく変化すると思います。物流コストの劇的な低下により、更なるオンライン化とバーチャル化が進み、小売店が路上からなくなるような事も語られています。

駐車場

普及の先の話ですが、もし"車が完全に太陽光のみで永続的に自律走行でき、路上には自動運転車のみで人工知能とシェアなどの仕組みにより交通が究極に制御・最適化された場合"には駐車させる必要がないので、街の駐車場が要らなくなると思っています。自宅のガレージに戻らせて、必要なタイミングで迎えに来させたり、乗らない時間は貸し出したりすればいいわけです。

外食産業

運転から解放され、車の中で食べる人が増えるので、外食産業も大きく変わると思います。テイクアウトやデリバリー的な業態が増え、"走行中の車まで車かドローンが配達"という業態が増えると思います。一つのお店からでなくレストランA、B、Cから違う品目を注文しても料金が変わらないという事が実現できると思います。

運転免許

自動運転車がどのような形で実現されるかにもよりますが、搭乗する人が免許を必要としなければ、自動車学校ビジネスはなくなります。今でも斜陽産業ですが、完全になくなるでしょう。一部では「自動運転車の普及の末、人間が運転してはいけないという法律ができる」と言われています。カリフォルニアでは、自動運転車に搭乗する人が免許を必要とする法案が出ましたが、Google等は猛烈に反対しています。

自動車保険

事故の発生確率が大きく下がれば、保険料も当然安くなりますが、同時に車の台数が増える可能性が高く、市場規模としては大きくなるのではないかとも言われています。保険の形態が大きく変わる事は間違いなく、特に自動運転であればその走行時や事故のデータから過失割合などの検証が容易くなり、人員削減が可能になり、自動車がオンラインで販売できるようになれば、今の代理店制度も大きく変わらざるを得ない気がします。販売時の説明もリスク測定もAIが行い、事故対応もAIがAI同士で行い、更新を気にする程の保険料でなくなれば営業コストも安くなります。

 

なっがい。。。

かなり個人的な予測で語ってしまいましたが、この類いの話は全て起こってもおかしくない話だと思い良くも悪くもドキドキしながら書きました。フィンテックの話で銀行での仕事がなくなる話やその他の人工知能の話を改めて冷静に見ると、やっぱり人間がする仕事はこれからの10年でとてつもなく変化しそうだということ。それにより、経済的な面で言うと格差は不可避に更に大きくなるので、幸福度が経済的な裕福さにばかり左右されないような社会にしていかないと辛いなぁと取り留めもなく思いました。

 

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